サルスベリは、7月の終わりから、9月の終わり頃まで次々と花をつけ、百日紅(ひゃくじつこう)とも呼ばれています。
サルスベリがサルスベリであるゆえんは、言うまでもなくあの滑らかな樹肌にあるわけですが、これは樹皮がある程度古くなると不規則な形に、せんべいのように薄く剥がれてしまい、その下から白いスベスベの肌が新しく出てくるからです。何となく異国的な雰囲気をもった木ですが、それもそのはず、中国南部原産の落葉樹で、日本へは江戸時代の始めに導入されたとされています。
原産地が日本よりかなり暖かいところであるせいか、春、他の樹木がすっかり葉を展開させた頃やっと芽をだし、秋、かなり早い時期に落葉してしまいます.そのため、この木をなまけの木と呼ぶ地方もあるそうです。
この木が普通とは違う変わった木だという印象を与えるのは、単に樹肌が滑らかだというだけではありません。花の形そのものが随分変わっているからです。
ちなみに、枝から花を一つ取ってみますと、大きな筒状に合着したガクの中から6枚の花弁と沢山のおしべ(そのうち6本はとくに長い)、それに1本のめしべが出ていることが分かります。
実はこの花弁が変わっていて、がく筒の中から長い柄のようなものが突きだし、その先が花弁になっていて、しかも全体がヒラヒラと縮れているのです。ですから、1つの花がまるで6つの花のように見えます。
花弁の付けねがこのように柄になっている例はそれ程多くないような気がします