マンサク Hamamelis japonica

マンサク(大阪府都市緑化植物園:2000.2.19)

マンサク(大阪府都市緑化植物園:2000.2.19)

マンサク科* マンサク属 【*APGⅢ:マンサク科】

hamos=似た+melisリンゴ japonica=日本の

2月の観察会の一つの期待はマンサクの花を見ることです。 早春というよりはまだ真冬という方がふさわしい寒い時期に、 ひっそりと、しかし良く見ると、枝いっぱいに黄色の花をつけて咲くマンサクには、 言うに言えない魅力があります。マンサクという名前のいわれが、 その年の豊年「満作」を予言するようにたくさんの花をつけるからだとも、 早春に他の植物に先駆けて「まず咲く」からだともいわれていますが、 いずれにせよ、この花が多くの人々に愛され、庭に植えられたり、 生け花につかわれたりしているのも当然な気がします。

枝に顔をくっつけるようにして詳しく観察できますと、マンサクの花は数個の花が束になって枝についています。 そして、一つの花を取り出して見ますと、極端に細長い花弁(幅1mm、長さ10~15mm)が4枚と、 その外側に大きさ2~3mmの卵形で外へそりかえった萼(がく)片が4枚ついていることが分かります。 ふつう花弁の色は黄色ですが、個体によっては赤みがかったものもあります。 また、萼片の内側は暗赤紫色のものが普通でが、京都植物園には萼片の色が黄緑色で、 比較的珍しい「緑萼(りょくがく)のマンサク」があるそうです。

マンサクは、気候的には大阪よりもやや寒い地方に多い落葉性の低木~高木で、 比良山や芦生などではたくさんありますが、金剛・生駒山系では見た記憶がありません。 箕面の植物を詳しく調べた梅原徹さんのリストによれば、 箕面でも限られた区域にまれにしか無いようです。

マンサクの花(2000.2.19:都市緑化植物園)