ドウダンツツジ  Enkianthus perulatus

ドウダンツツジ(泉大津市:1999.11.27)

ドウダンツツジ (泉大津市東雲公園:1999.11.27)

ツツジ科* ドウダンツツジ属 【*APGⅢ:ツツジ科】

Enkianthus:ふくらんだ花  perulatus:鱗片のある

図鑑によれば、ドウダンツツジの自生地は高知県錦山の蛇紋岩地帯だと記載されていますが、わたしは四国の山を歩いた経験が大変少なく、したがって自生のドウダンツツジをみた経験がありません。しかし、ドウダンツツジは必ずしも蛇紋岩地帯でなくても良く育ち、その可憐な白い花と秋の紅葉の美しさが好まれて、庭園や公園などで広く植えられています。葉が展開する直前の3月終わりから葉がじゅうぶん展開した5月上旬までのかなり長い間花をつけ、樹木の花としては異例に長い開花期を持つといってよいでしょう。

ドウダンツツジの花はおもに枝先に輪生した葉の間から散生し、1~2cmの花柄にぶら下がって下向きに咲いています。大きさは約7~8mmあり、アセビの花ににた壷形をしていて先が5つに分かれており、花柄に近いふくらんだ部分には5つの凸起があります。花の白さにはアセビほどの透明感はないように思いますが、それでもたくさんの花が咲いた姿は私たちの目を引くに充分です(右写真:万博記念公園 2002.4.13)

夏の涼しい所のドウダンツツジの葉は、秋に大変きれいに紅葉するものですが、大阪の夏の暑さと乾燥はこの種にとって厳しすぎるのか、残念ながら、大阪の夏を越したドウダンツツジの葉のほとんどに枯れ込みが入り、ひどいときにはほぼすべての葉を落としてしまっていることさえあって、ドウダンツツジの紅葉の本当の美しさを見るチャンスは少ないように思います。

ところで、ドウダンツツジは漢字で「燈台躑躅」とか「満天星躑躅」などと書くそうです。もっとも、この燈台は夜の海を照らす燈台ではなく、まだランプもない時代、3本の丸い棒の一ヶ所をひもでくくり、上下を開いて立てた上に油皿をおいて室内照明に使った「結び燈台」をいうそうで、たくさんの細い枝が1ヶ所から放射状に出るこの木の姿からの連想と思われます。また、満天星は白いたくさんの花から来ているのでしょうか。