大阪市北区・茶屋町のブーゲンビレア Bougainvillea glabra

民家の屋根をおおうように咲くブーゲンビレア(大阪市北区茶屋町:2015.12.30)

民家の屋根をおおうように咲くブーゲンビレア
(大阪市北区茶屋町:2015.12.30)

オシロイバナ科* ブーゲンビレア(イカダカズラ)属 【*APGⅢ:オシロイバナ科】

Bougainvillea:フランスの科学者 Louis-Antoine de Bougainville にちなむ glabra:無毛の

A. 2016年1月1日 (FB掲載記事)

大阪市内のかなりな繁華街で、もう冬というのに木造2階建ての民家風建物の屋根にまで這い上がって、一面に花を咲かせているブーゲンビレアがあります。
場所は大阪市北区茶屋町の一角で、ロフトや丸善・ジュンク堂書店にも近い花屋さん(Florist Mary)です。

ブーゲンビレアは南米の熱帯・亜熱帯原産のオシロイバナ科に属するつる性木本植物です。
色鮮やかな花を鑑賞するため、世界中の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されており、日本ではふつう温室植物としてガラス室の中で栽培されています。

ブーゲンビレアの中には、かなりの耐寒性を持つものもあり、日本でも、温暖な海に近い霜の降りない地域では路地栽培が可能です。とはいうものの、大阪市内の屋外で、大木と言えるほど大きくなり、冬になっても葉が痛むことなくたくさんの花を咲かせているのはほかには例がなく、やはり珍しいといってよいでしょう。

ブーゲンビレアにはおよそ14~18種類の原種があるとされ、たくさんの交配種が作られています。
鮮やかな色を付けた花びらのように見えるのは3枚の苞葉で、本当の花は、苞葉の脈に上についている小さいラッパ状のものです。
オシロイバナ科の植物の花は単花被花(花弁または萼を欠く)で、筒状の花びらのように見えるのは萼(がく)だとされています。萼の中には雌しべが1本、雄しべが8本あります(写真はいずれも2015.12.30)。

写真左から:
1.太い茎が勢いよく2階の屋根の上まで伸びている。
2.ブーゲンビレアの根元。太い茎が3~4本あり、直径はいずれも12~13cm程度ある。根元の様子から見て、発泡スチロールに植えたあと放置していたブーゲンビレアが地面まで根を下ろしたのだろうか・・・。
3.ここのブーゲンビレアの花。サンデリアナ種と思われる。



Bougainvillea glabraの品種「サンデリアナ」の屋外栽培分布域(海洋博公園HP より)



B.2016年3月3日 (FB掲載記事)

1月早々に、大阪市北区茶屋町に、2階建て家屋の屋根にまで這い上っているブーゲンビレアがたくさんの花をつけている様子を紹介しました。

その後、1月下旬に2~3日厳しい低温の日があったので、その直後に様子を見に行ったところさしたる変化もないように見えましたので、インドボダイジュほど顕著な影響はないものと思っていました。

ところが今日見たところ、枝先の葉が全面的に茶色く枯れ込み、色づいた花は1つもありませんでした。しかしよく探すと、わずかに色の残った花がらもありましたので、花や葉は痛んでも枝まで枯れてしまったのでは無いかも知れません。
 枝先はともかく、下の方についている葉は青々としていますので、木が枯れてしまう心配は全くありません。


写真:左から
1:枝先のほとんどの葉が枯れてしまったブーゲンビレア。木の下部についた葉は緑を残している。
2:わずかに花色を残すものもあった(赤丸で囲む)。

C.2016年6月7日 (FB掲載記事)

熱帯花木とされるブーゲンビレアが大阪市北区の繁華街の一角で大きく育ち、正月になっても多くの花をつけていたものが、1月下旬の強い寒さを受け、3月はじめには、高いところについていた葉のほとんどが枯れて茶色くなってい太ことについては上のA、Bで紹介しました。

その後、寒害を受けたこの木がどのように回復するかが気になって時々様子を見に行っていましたが、6月はじめにはほぼ元の状態に戻ったようなので、ここでその経過を紹介しておきます。


写真:2016年4月12日の様子(枯れた葉の多くが脱落し、絡み合った茎や枝が目立つ)



写真:2016年5月16日の様子(5月中旬には枯れ葉は全く目立たなくなり、新葉もかなりでてきた。色づいた花(苞葉)もやや目立ってきたが、色がうすく、白い筒状の花もまだ開いていなかった


写真:2016年6月3日の様子(ほぼ3週間経過した時点では、みずみずしい葉が植物全体を覆い、花数も非常に増えて、全体が美しく彩られていた。また、勢いよく上方へ伸びた新梢がめだった。