アカギ  Bischofia javanica

アカギ(大阪府立大学:2000.8.03.)

アカギ (大阪府立大学:2000.8.3)

トウダイグサ科* アカギ属 【*APGⅢ:ミカンソウ科(コミカンソウ科)】

Bischofia:人名(Bischoff)から javanica:ジャワの

石垣市宮良(2000.1.2) 大阪府立大学(1999.8.7) アカギは、トウダイグサ科の樹木の中では例外的に三出複葉をもち、 一見、ウコギ科のタカノツメに似ています。しかし、 アカギでは樹肌がクスノキに似た割れ方をし、葉が濃い緑であること、 葉柄や小葉柄が赤みを帯びることなど、両者には明瞭な違いがあります。 日本の沖縄のほか、中国、熱帯アジア、オーストラリア、ポリネシアにも自生します。 多くの図鑑には常緑または半常緑と記載されていますが、 大阪など本州各地では、冬に完全に落葉してしまいます(写真左:アカギの三出複葉(大阪府立大学 1999.8.7、写真右:アカギの樹幹(石垣市宮良 2000.1.2))

アカギの花序(2000.1.2:石垣市宮良) 那覇市の首里には国の天然記念物に指定された6本のアカギの大木があり、 最大のものは胸高幹周りが5.5mもあります。 金城拝所の南面する崖のすそに一列に並んで生えており、 古い時代に人為的に植栽されたものかも知れません(写真:アカギの花序(2000.1.2:石垣市宮良)

わたしが初めてアカギを知ったのは私市の植物園に勤務したときですが、 植栽後あまり時間がたっておらず、まだ、小さいものでした。 35年近くもたった今では大変背が高くなっていますが、 それでもまだまだ伸びやかな勢いを持った若木という印象はぬぐえません。

ところが、池田にある府立園芸高校には非常に大きなアカギがあり、 97年9月の百樹会のとき胸高幹周りを測定しましたら263cm (直径にして約84cm)もありました。

この個体の植栽年や導入経路は今のところ不明ですが、 もし、園芸高校の実習庭園が造られた昭和16~19年に植えられたものとしますと、 少なくとも60年以上の樹齢をもつことになります。 園芸高校にはほかに根元近くで4本に株分かれしたアカギがあり、 その幹周りは155、191、176、157cmでした。 正確な樹高はわかりませんが10mを超えていることは確実です。

アカギという名前は樹木の材が赤みを帯びていることに由来し、 紫檀の代用にされるそうです。また、樹皮は沖縄ではミンサー織りの染色に使われるほか、 くすりや籐(ラタン)で作ったカゴの染色に用いると書いた外国の本もあります。