プライベート研究章


2002.08.15

☆ 参考文献 ☆
井上八千代芸話
片山慶治郎著
河原書店・昭和42年刊
時価1800円
絶版書 (2002.08 入手)
約20ページにわたり左記写真の図版がある、いずれも4代宗家の若き日の写真
4代目八千代師のたどってきた伝記が記されている。最後の部分に井上流手ほどきの一部技法の説明と入門型・門松が解説されてるのは貴重。戦前の舞妓が、小学頃より仕込みを修練してきたのに対し、戦後の舞妓が3年以上の年齢がアップして中学以上で仕込みになるので、舞妓から芸妓になるときは兵隊から将校になるようで(普通は下士官が進む、技量が未熟の意)時の流れとはいえ やるせないと言ってたのが興味深い


1. NHKビデオ 祇園・京舞の春
注;現代京舞です
現販売中・2001年秋 NHK出版より通販購入
これは別に誰でも入手できるので秘蔵には入りませんが参考までに書いてみました。4世.5世の肉声が入ってます(5世宗家はふだんはとてもやさしい感じがする方です)舞妓や芸妓さんも少し出ており、都をどりなども少し入ってます。祇園を流れる川のせせらぎが絶品です。京舞ファンは、必ず買うことを薦めます・・・
題字は吉井勇先生
2.京舞
絶版書・2002年3月7日 ネット中古書店より入手
京都新聞社編集局編・淡交社・A6サイズ約246頁・昭和35年発刊・当時500円
(題字、序歌;吉井勇)
京舞・井上流について書かれた本で内容は次の通りです。祇園と京舞;舞妓のアメリカ公演・12才で内弟子になり厳しい稽古・井上流の起こり・禁男の井上流。祇園京舞都踊り;井上流一本の都踊り・昔の都踊り。先代お師匠さん(片山春子刀自)。松本のお母さん(井上佐多女)。京舞東京公演。文の大部分は、井上流宗家と高弟の書かれたもので井上流の紹介や修業時代の話、稽古の様子、苦労した話など貴重な体験談が出てる。都踊りは京都が遷都で寂れるのを嘆いた府知事が博覧会を催し、その余興で始めたのが都踊りだそうで、是を仕切ったのが井上流。是が基で祇園は篠塚流から井上流が御流儀となったという。この本では、吉井勇先生の初期都踊り礼賛の歌8首が出ています。右の文は、吉井勇先生が京舞の本が出たのを記念して特に書いた歌で序文となっている)
3.京舞井上流家元・三世井上八千代(祇園の女風土記)
絶版書・2002年3月8日 ネット中古書店より入手
遠藤保子著・リブロポート社・カッパブックス大約240頁・1993年初版・当時1900円
この本は新しく見えるが、主要書店サーチで見てみたが在庫は全くなかった。
 

4.京舞井上流写真集
注;現代京舞です
限定販売・2002年3月3日 ネット中古書店にて
(中古書店にて在庫可能性あり)
定価はなんと38000円だったが中古はだいぶお安くなっていた・・・井上流四世・五世両八千代師をはじめとする高弟達の写真集です。舞妓、芸妓はほとんど出ていませんが、京舞の奥義の型が写真になってる感じがします。やはり京舞ファンには是非とも入手したい本である{見えるだろうか?豪華本の表紙には井上紋がレリーフしてある(右図)}



祇園において井上流が御流儀になった経緯は都踊りが発端となったとあるが、未だ当時新参の?傍流に過ぎなかった井上流がなぜその当時、主流の篠塚流をさしおいて都踊りの担い手になったかという点についてさしでがましいとは思うが、”三世井上八千代”の本が入手不能に近い現状であるので書きとめおく。都踊りは、明治維新後遷都に対して反骨精神意気盛んな京都府知事(牧村正直)らが京都復興と近代化を推進するため、その目玉として京都博覧会を西本願寺で開催した。しかし内容的に今ひとつ物足りなさを感じた知事は、翌年には更に充実した博覧会を企画しようと一力茶屋の主人杉浦次郎左衛門に相談したところ、その余興として茶の供応と芸妓舞妓による歌舞を公開することに決した。是が都踊りが出来た由縁である。その中心に三世井上八千代を起用したのはなぜか。知事の牧村正直と一力茶屋の杉浦次郎左衛門は木戸孝允(桂小五郎・京芸妓”幾松”を妻とした)との関連が深く、京都博覧会開催も木戸孝允のバックアップがあったとされる。そしてこの木戸孝允と三世(本名片山春子)とは小五郎時代に親交があった。又、祇園芸妓の舞の師匠であったから祇園での宴会には井上流を舞う芸妓(加代)が孝允のお気に入りで同席してた。孝允はその芸妓を通じて三世を知り得たと言われる。府知事牧村は、その当時、孝允の懐刀だったので三世とも旧知の間柄だった。このほかに明石博高がいた。京都政財界の実力者で、能楽に通じ三世の夫たる能楽師片山九郎右衛門と親交があり井上流にも良き理解者だった。この明石は杉浦と交友があり杉浦に井上流を紹介したのはこの明石だったといわれる。是によって杉浦は井上流を理解していた。これらが相乗して、まだ新参の井上流が都踊りの中心に推される結果となったらしい。

関連書の紹介

祇園の女
文芸芸妓磯田多佳
中公文庫・2001年5月25日初版
杉田博明著.762円(販売中)
京舞とは直接関係ないが祇園ファン必見の書
時代に翻弄されながらも誇りを忘れずけなげに生きた祇園の女の生き様は感動するものがある

京舞名匠
佐多女芸談
堂元寒星著
井上佐多京舞名取(三代宗家奥許し)の聞き書き
磯田多佳の姉芸妓にあたり親交があった
三代京舞宗家から一目おかれた京舞の名手
吉井勇の本”京都・大阪・東京”に登場する本
絶版書


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