●セットリスト
ステージは緞帳が降りている。ライトが点くと幕を通してステージ全景が見えた。メンバーは「ムーンストーン」のときのように全員正装。残念ながら鯉口にはあらず。
1.Harlem Nocturne
酒場のバックバンドのようなイントロ。サム・テイラーの演奏が有名な「ハーレム・ノクターン」。ん?これって「1曲目当てクイズ」の解答はどうなるの?? (やはりイントロダクションと解釈するか?)
そこへサックスのソロが。松ちゃんではなく、田島!2.こいよ
意外なようなそうでもないような。鹿島さんのウッドベースソロから、田島が静々と歌いだす。アルバムとは違い、ジャジーで非常にアダルトなアレンジ。「ミリオンシークレッツ」風。ブレイク時だけ少しパンキッシュ。エンディングがBody Fresherみたいだった。3.アダルト・オンリー
田島がマラカスを持つ。前曲の雰囲気を引継ぎ、原曲よりもムーディなアレンジ。4.悪い種
アルバムに忠実なアレンジ。松ちゃんのグロッケンとラティールさんのパーカッションがいいアクセント。田島はストラトを手に、いいカッティング。ライヴで聞くと、まるで呪詛のような歌詞だ。MC: 「新しい、新曲を聴いてください」。
5.死の誘惑のブルーズ
田島のソロとピアノ(上田禎氏)が絡むイントロ。「ここは東京番外地」という歌詞のムード歌謡風のサビと、早口でまくしたてるAメロ、エキゾチックなBメロ、パンクのようなノイジーなギターが時折入る。これは『DESIRE』のころのようなコンセプトの曲だな。MC: 「アルバムは秋から冬にかけて出ます」「アルバムはスカパラも参加、スカの曲を作ってみました」「築地でスカバンド作ってみました」
6.築地オーライ
出だしはニューオーリンズ的。スカなんだけど、メロディはヨナ抜き。 「東京ブギウギ」も入っている。このハチャメチャぶりは、まるでデビュー前に作っていたような曲だ。たとえば「Darlin'」のような。これはまた田島の「原点回帰」なんではないか? 気に入ったスタイルをごちゃまぜにするんだが、ほとんど素のまま。7.あまく危険な香り
MCなしで歌いだす。思ったより客が湧かないが、言葉も出ないほどカッコよかったのだろう。わかるよ。
これはシングル収録のまま。 ただ、歌自体はレコードよりも力が抜けていて、それがよい。エンディングは1stのころのような〆方。水を飲みMC。ギターをアコギに持ち帰る。「まぁお座りください。これからしばらく…(笑ってごまかす。多分「ブレイクタイム」のようなことを言いたかった模様)。今日は1回きりなので、1回きりしかやらないような曲を。ぼくが子供のころは歌謡曲全盛時代で。ジュリーの曲をカヴァーします」
8.時の過ぎ行くままに
アコギをフィーチャーしたアレンジ。間奏では小暮氏のギターが泣く。フェロモンぐあいはまさに原曲どおりなんだが、それはジュリーではなく、やはり田島。MC: 「あまく危険な香り」と「時の過ぎ行くままに」と2曲続けて"不倫シリーズ"をお送りしました。(笑)
9.守護天使
おお、やってくれました! ラティールさんのパーカッションをフィーチャーして、少しボサノヴァの入ったシックなアレンジ。10.神々のチェス
鹿島氏のウッドベースソロを導入に、松ちゃんのグロッケン&サックスとの3人での演奏。中盤でベースは弓を使う徹底ぶり。この曲のメロディの強さを浮き彫りにしたようなアレンジ。最後の松ちゃんのソロが素敵。11. O-o-h Child
また全員に戻っての演奏。 まさに語りかけるような田島の歌。MC: 「とても歌詞のいい曲」「子供たちに『いい未来が待ってるよ』と言ってるだけの曲なんですけど、とてもいい曲。よかったらタワーレコードで買ってください」(ちなみにバンド名は言わずじまい。)
12.夜行性
イントロなしで歌いだし。モダンジャズのアレンジ。MC: 「次の曲も新曲です」「最近飲み始めて酒豪です」「お酒を飲めるようになりました、という歌詞です」
13.ひとりぼっちのあいつ
ジャイヴ気味のポップス。「JJJ」よりは「ネヴァー・ギヴアップ」的。これはでも、70年代 のいい歌謡曲だな。陽気でもどこか物悲しい感じがいい。たしかにかなり酒の名前が出てる。そんだけ呑めば悪酔いもするさ。14.ふられた気持ち
だから、「酔いどれの歌」が次に来る。最高(笑)。
轟音ギターがないので、わりと落ち着いた感じのアレンジ。でも田島の歌は原曲以上。15.いとしのエリー
いとしのエリーみたいなイントロだなぁ、と思ったてらそのまんまだった。
歌謡曲賛歌だとか、クドいヴォーカリストの対決だとかそんなことよりも、 「ラジオから流れて」いたあの曲を、15年経ってついに自分のバンドでカヴァーしたことに思いを馳せた。16.接吻
当然やると思っていた。明らかにRSR対策。しかし、「エリー」のあとにこれをぶつけるとはね。
シングル的なはじまり。これはもう、『風の歌』のころを思い出す、昔ながらのライヴでのアレンジ。ただホーンがサックス1本だけなのは寂しい。MC: 「次の曲は非常に古い曲です。久しぶりにやります」「顔をモンタージュしてみてください(笑)」
17.いつか見上げた空に
シタールもちゃんと入っている(小暮氏)原曲に忠実なアレンジ。前の曲同様、ホーンの寂しさがぬぐえないが。
でもこれを未明のRSRで聞けたら、もう死んでもいいかも。MC: 「暑い夏なので、次も古い曲です」
18.サンシャイン・ロマンス
もちろん大歓声。RSRはこっちなんだろうなぁ…、スカパラとか乱入して。(ならいいか)
田島はタンバリンを片手にかなりノリノリ。松ちゃんは森さんを超えてるね。
19.フィエスタ
あら、今回もやるの? もちろん大歓迎。去年の名演を思い出すよ。
20.ブギー4回戦ボーイ
メドレー状態で突入。鹿島氏がエレキに、小暮氏がアコギに持ち替えてる。アウトロが長く、田島もお得意のファイティングポーズ。「ブギー!」連呼の中、幕が下りて本編終了。本編は「踊る太陽」を逆にしてはさんだことになる。
〜encore〜
ベタベタな音楽の中、幕が上がる。田島、謎の踊り。21.沈黙の薔薇
初演。アレンジがレコードに忠実なのはもちろんだが、音の厚さもレコードどおりなのは少し驚いた。最後のワルツ部で、田島踊りがワルツになってる。さっきのはこれだったようだ。22.朝日のあたる道
これもRSR対策だろう。というか、これをやってくれないようでは困る。
楽器が軽いので、アレンジも軽やかな印象。最後、佐野っちのドラムソロが一瞬入って終了。23.R&R
前シングル「美貌の罠」をやってくれなかったのは非常に悔しいが、この曲を今回も忘れずやってくれたのは本当にうれしい。盛り上がるとかそういう表面的なことではなくて、この曲は田島貴男を象徴 しているような曲だから。
中間のブレイクがディレイではなく、 朗読的に呟いていたのが笑えた。インスト曲に合わせてメンバー紹介をして、また閉幕。〜encore 2〜がなし。これは珍しい。
CDJ-YAMAGUCHIさん:
1F 10列目 右側
*印象に残っていることを箇条書きで。
・もうオープニング、曲が始まる前から、青とピンクのライトが赤いカーテンに照らされている時からもう負けました。私は。淫靡な60年代〜70年代にキャバレーの雰囲気。(スカパラがずっと昔、キャバレーを貸しきってライやったのを思い出しました)
・今回いつもよりもまして演奏が素晴らしく、頼れる感じ。リズム隊のお二人は、隙がなくグルーヴを作り出し、そしてあのピアノ(キーボード)上田氏。結構きてましたね。自分の座席の位置からだと真正面でしたが、あのシルクハットのいでたちで何かやってくれそうな期待度入りに狂ったように弾いてました。ほんと好きだなあの人。タッチが荒いという声もありますが。今回はやらなかったんですが、「ジャンピング ジャック ジャイヴ」をやってたらどうなってたのでしょう?! ちょっと残念です。次回へのお楽しみなの?
・秋〜冬に発売予定の新アルバムの新曲群 スゴイ楽しめた。そして田島氏のヴォーカルがのってたというかスムーズだった。曲も一筆書きで書いたというくらい歌い方もそんな感じだったな。