2000年6月25日(土)
東京:青山CAY


●セットリスト

  1. (インプロヴィゼーション)
  2. アポトーシス

田島貴男 (VOCAL and GUITAR)
L?K?O (TURN TABLE)
松本健一 (SAX)



マルヤマさん

 17:00過ぎに青山CAY(青山スパイラルホールB1F)入口に到着。入り口付近には数人いるものの、開場待ちの人は若干少なめ。この日「オリジナル・ラヴが出演する」という告知はされていないのか? と思っていると、入り口脇の張り紙にはきちんと”松本健一+L?K?O+田島貴男”の文字。松本氏の名前が手書きで追加されていたので、当初は田島っちとL?K?Oの二人だけの出演予定だったところに、急遽参加が決まったのだろうと思われる。
 タイムテーブルも併せて張り出されていて、それによればオリジナル・ラヴは1番手で18:00から30分出演するとのこと。「なんで最初なんだ?」と思いつつも、'00/02/03のDMBQとの対バンの時と同様に、機材のセッティングの都合でなのだろうと勝手に納得する。

 CAYに行かれたことのある方なら既にご存じのこととは思いますが、ステージとフロアの段差があまりなく無防備な状況にセキュリティ面での不安を多少感じつつ、ステージから向かって左側の一番手前の座席(L?K?Oの正面近く)に座る。
 Open直後だからか、それともオリジナル・ラヴが出演するというインフォメーションが充分に行き渡っていないからか、まばらな客の入りに少々不安を覚えるものの、それでも18:30頃には100人程が入りFloorも賑わってきたので、関係者でもないのに何故か安心する。

 ステージ手前に近寄ってみると、薄いカーテンの向こうに準備された機材が並んでいるのが見える。L?K?Oは今日はTurn Tableを3台使用、奥にはGuitar用のEffectorが並べられている模様。
 中央奥にはアコギが1台Standに立て掛けてあり、マイク脇には譜面台に譜面がセットされている。譜面を見ながらの演奏ということは、今日初めて演奏する曲もあるのか? と想像する。

 しばらくすると(18:20頃)、本番Start前にL?K?Oがステージ上にてDiskの準備と頭出しをする。それが済むとFloorに戻ってきて何人かと談笑。頃合いを見計らって、L?K?Oに不躾に質問してみる(ファンの方、お気を悪くされたらすいませんです)。

 マルヤマ「今日はどんな曲をやるんですか?」
 L?K?O  「タイトルとかは特にはありません」
 マルヤマ「じゃあ、以前のWEB(三宿)の時みたいな、インプロヴィゼイションぽい感じですか?」
 L?K?O  「そうですね」
 マルヤマ「こういう演奏の時は、事前にリハーサルとかされるんですか?」
 L?K?O  「1回だけ30分くらい、半分遊びでリハーサルしました。あとは『大体こんな感じで』とか話して」

 別れ際に「今日の演奏、楽しみにしてます」と言って、その場を離れる(話をさせてもらえて感謝です。>L?K?O)。

 18:40、カーテン越しに田島っち・松本氏・L?K?Oの登場を確認。三人揃っての「うっす」の掛け声のあと、おのおののポジションにつく。
 海猫の鳴き声のSEが流れ出す中、ゆっくり幕が開く。

 田島っちは上が赤のロングスリーヴのポロシャツ(フレッドペリィ)で、パンツはルーズフィットのソフトジーンズ。髪を切って若干短め、いい感じです。
 L?K?Oはタンクトップに、「FACTOY」の時同様プチアフロ・ヘア。松本氏は白のTシャツにチノパン。

1. (インプロヴィゼイション)
 サンプラーを叩いてリズムを出す田島っち。Drumsのように規則的なBeatを刻むというよりは、むしろ打楽器的にサンプラーを叩いているように見えました。続けてL?K?Oがそれに応えるようにスクラッチでリズムを刻み、そのリズムに乗せるように松本氏は口琴を鳴らし、時に音程を変化させる。

 だんだんBPMが上がっていき、微妙にずらしていたリズムがやがて徐々に同じタイミングで噛み合い、また少しずつずれていく。それがその後も幾度となく繰り返される。
 田島っちは疲れてきたのか、それまで指で打っていたボタンを今度は掌で叩き始める。

 幾度となく田島っちとL?K?Oが目を合わせ、お互いの呼吸の取り方を見計らっている場面が見受けられ、時としてL?K?Oは田島っちの手の動きを見ながらリズムを刻むタイミングを決めているようでした。
 田島っちがBaseになるリズムを出してL?K?Oがそれに併せてスクラッチを入れていく時があったり、逆にL?K?Oが全体の音をリードしていく場面があったりといった具合に、アンサンブルを組み立てていくというよりはどことなく”禅問答”を見るようでした。

 演奏開始から10分ほどして、松本氏は口琴から尺八に持ち替える。やがて、その尺八のゆったりした響きと、ひたすら刻まれるサンプラーとスクラッチによるリズムという異なるBPMを持つ音の混在に不思議な感覚を味わう。そんな中でも、田島っちの手の動きは更に早くなっていきます。
 この辺りでL?K?Oは、Diskの音をEffectorを通して音色を加工したりしていました。

 更に10分ほどして、松本氏が今度はオリジナル・ラヴのライヴでもお馴染みのホースを吹き始めました。
 こうしている間にも、田島っちはスタートから長いことずっと腰をかがめてサンプラーを叩き続けていました。苦しくないですか?

 ホースを吹き始めてから7分ほどして、松本氏が今度はSaxに持ち替えました。彼の演奏は完全にフリーフォームのソロ。
 そろそろ飽きてきたのか、田島っちは完全に平手打ちの”あばれ太鼓”状態。

 2. 〜アポトーシス
 19:05分頃、インプロが一段落して今度はアコギに持ち替えました。譜面を見ながら弾き始める田島っち。初めて聴く曲に緊張感を覚えつつ、聴き入ることにする。松本氏は口琴とホースでアンサンブルに加わっていました。
 最後の1フレーズでどうやらこの曲が「アポトーシス」だと判明。”夜のさざ波”や”満ちてくるまで”といったフレーズが断片的に耳に入ってくる、穏やかさと諦めが混在したような落ち着いたトーンの曲でした。
 Guitarでの弾き語りがとても合いそうなこの曲、アルバムにはどのようなアレンジで収録されたのか、気になるところです。

 演奏終了後、田島っちの「ありがとう」という一言で幕が閉じ、オリジナル・ラヴのStageは終了しました。


 以下簡単ですが、当日のその他の出演アーティストについて。

1.LOTO BOMBA & GORO
 どうやら今日は彼らがMain Actらしく、観客(この頃には300人ほどに増えていた)が一斉に前方へ歩み寄る。Percussion4人+Drums1人にゴローさんを加えた編成。Drumsに合わせて残りのMemberが揃ってPerを叩き出したときに、OL'94年夏のTourでのMember全員による”リズムドンドコ”の場面を思い出してしまいました。
 彼らの演奏に対しては”打楽器だけでどれだけアンサンブルに幅を持たせられるか”という点に興味がありましたが、徐々に高揚感を醸し出しすリズムのシンコペーションの応酬が良かったです。
 ゴローさんはその音の中でカリンバやホーミー、ディジリドゥを自在に操り、野音の時と同じように自分なりのフリーフォームな演奏を聴かせてくれました(ちなみに演奏の時は裸足でした、かっこいい)。

2.AOA
 打楽器だけでなく、GuitarやTurn Tableを加えた8人編成。アフリカン・ビートやアフロ・リズム、他にトランステクノなどの様々な要素を感じさせる、Perを中心としたミクスチャー・サウンド。Totalで40分程のNon Stopの演奏。
 途中「ダレてきたかな」と思う場面が何度かあったのですが、一向に終わる気配のない演奏を聴き続けていくうちに、その長さがかえってタイムレスになっていく感覚を起こしました。個人的にはそれが心地良かったです。

 どちらも今回始めて観るGroupでしたが、良かったです。


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Page Written by Kiku^o^Sakaaki