1998年10月16日(金)
千葉・市川市文化会館


●セットリスト

  1. 呆気ない幕切れ
  2. ティラノサウルス
  3. 大車輪
  4. ドラキュラ
  5. インソムニア
  6. 宝島
  7. ブロンコ
  8. 羽毛とピストル
  9. 接吻
  10. CRAZY LOVE
  11. 神々のチェス
  12. ヴィーナス
  13. Hum a Tune
  14. The Rover
  15. ハニーフラッシュ
  16. 水の音楽
    encore
  17. ペテン師のうた
  18. The Best Day of My Life
  19. サンシャイン ロマンス

※高林さんツッコミどうも。


さかまき
席:1階5列38番

 「幕切れ」で始まったステージ。

 「ティラノ」「大車輪」は「FACTORY」のときのようなアレンジ。あのときよりもさらに力強い感じがしました。エセBAT MANのようなちょっと寒いマークを会場中に回しながら「ドラキュラ」。でも演奏はすばらしい! ライヴでも軽さと疾走感がそのままでした。

 「宝島」は L?K?O がいい仕事をしていました。終わったところで背景がジャケットの「包帯マン」になって「インソムニア」がスタート。と同時にステージに♀♂♀と3人の包帯マンが登場。いやはや、今回は小道具も凝っています。

 次からの繋がりはライヴならではの醍醐味でした。「ブロンコ」は『L』さながらのアレンジとなって登場。サビに入っても徹底的に「軽い」アレンジがよくハマっていて、もう笑うしかありませんでした。湿やかなあの曲がカラカラに乾涸びているんだもの。

 次の「羽毛」もクールに官能的にくると思いきや、コテコテのソウルアレンジ。むしろアルバムの方がリミックス的アレンジをされているのじゃないかと思うくらい、ツボにハマってました。スピーカーの上に乗り、腰に手をあてて熱唱する田島。エンディングを延々と引っ張っていって、まだやるか、と思ったところで地の底から盛り上がってくるように「なーーがーーくーーーあまいー」と「接吻」に繋いでいきました。感涙。

 「懐かしい曲をやります」。なにかと思いきや「ヴィーナス」! 力まないアレンジで、ステージ的には小休止のところなんだろうけど、こちらはもうトロけるしかないです。

 終わったところで L?K?O のちょっとしたソロタイム。インド音楽の即興のようなサンプリングの向こうから聞こえてきたのは、たしかに「青空の向こうから」でした。けれども田島が歌い始めたのは「Hum A Tune」。うーん、これはアレンジはとくに変わったところなし。ただし演奏はグッド。一昨年、この市川の初日を観たときは結構ボロボロだったのですけど、今日はほとんどスキがない。逆に歌詞を間違える田島の方が目立ってしまってました(^^;。

 ただ、今日の田島はとても機嫌がいいように見えました。とくに去年のツアーは演奏に没頭しすぎていてイヤな緊張感も感じられたのですが、今年はすっかり楽しんでいる様子でした。

 ラジオでは「ハニーフラッシュ」のアレンジに期待!と言っていたのですが、「キューティー・ハニーのテーマ」が流れた時点で納得。しかし、曲と繋がるあたりがよく噛み合っていなかったのが残念(いっそ、ずっとサンプリングを流したままのがいいと思ったけど…)。あれれ…と思っていたところ、「泣くのはやめて!」でいきなりステージに閃光が。ホントに花火を上げやがった。そこからはさすがにキれました。最後にももう1発上げ、包帯マンも再登場で、会場は狂乱状態。もともと「壊れた」曲だから、このくらいやってこそ釣り合いが取れるように思います。

 「水の音楽」はさすがに演奏すること自体が難しかったようです(しょうがないと思うけど)。これは今後のツアーに期待します。ただ、この後に続いた演奏がすごかった。『結晶』のころのステージのような(って生では観ていないけど)怒涛のような音の渦。歌もなにもなかったけれども、案外次の予告編なんでしょうか??

 で、アンコール。L?K?O と二人だけで「ペテン師」。前のアルバムで妙にゴージャスなこの曲だったけど、この静かなアレンジもよかったです。続いてバンド全体がまた唸りはじめて「Best Day」。途中でボサノヴァ・チックにちょっと力を抜いて、それがまたすごくよかった。

 ここでまた一旦終わり?と思ったら、なんと「サンシャイン」が。これは去年の「月裏」のような「懐メロ大会」のようなものだろうけど、そこはスタンダードの多いこのバンドですからね。こういうのがなくては。セカンド・アンコールはなかったけれど、満足でした。

 『L』が珍しく内省的なアルバムだったので、これをライヴでどう料理するかということが一番気になっていました。「全曲アルバムの曲順で完全再現」などとバカな想像もしていたのですが、実際にはアルバムとは対称的なパワフルな演奏になっていて、いい方に裏切られました。アルバムの鬱憤をライヴで晴らしたのかも、と考えると非常にいい感じに思えます。バカさ加減も復活してきたようですし、ますます目が離せなくなりました。


[1998年]
[LIVEGRAPHY] [Home Page]
Page Written by Kiku^o^Sakaaki