会場が遅れてNHKホール前は黒山の人だかり。やっと開場されて席に着いたかと思うと、トイレとか、ロビーで一服している人がいるにも関わらず、1ベルがなり、まもなく2ベル。照明もまだ落ちきってなかったのではなかったか。緞帳が開くと、そこには舞台装置も何もない真っ白な舞台。そこに一人田島がギター一本抱えて立っていました(多分thinlineだったと思う)。あっけに取られて、これは、まだ準備でもできてないのか、と思うほど唐突な出現だったのです。
するとおもむろに、イントロを弾きはじめ、「ソバカスのある少女」が始まったのでした。もうなんというか、荘厳というか、男の僕がいうのもおかしな話ですが、男を感じさせる演奏でした。この大観衆に向かって、1曲目を、ギター一本で始めようといった姿勢、余りにも何もない舞台でただ一人、歌い続ける田島の姿は本当に圧巻でした。あの時の田島を思い出すたび胸が熱くなります。変な話では無く。何かジャンルは違えども、演奏をする上で大切な何かを、学べた気がした夜でした。
その後、「ソバカス」が終わると、舞台装置が移動して現れ、メンバも舞台後ろから各自打楽器をもって(お馴染み)登場し、interlude的な「Best Day ...」を始めた、ような気がします。(曲リストは、月カドvol13のNo3にのってます)
それからの田島はもう嬉しそう、嬉しそう、もう手足長猿状態で、歌う歌う、って感じでした。
この日は他にも、「砂の女」やったりだとか、それまで、ライブみてた時はあんまりカバーとかやってなかったので、新鮮でしたね(田島本人も、最近は日本人の曲はカバーしてなかったとか言ってた記憶が...)。”「砂の女」やります。”って言った後、一人で「へへへ。」って笑ってたのが思い切り印象的でした。