VirtualBox 1.3.8 for Linux


2007年3月14日にVirtualBox 1.3.8がリリースされました。
VirtualBoxはドイツのInnoTek社が開発している32bit対応のデスクトップ用仮想化ソフトです。
VirtualBoxにはWindows版、Linux版、Mac OS X版等があります。

今回はFedora Core 6(FC6)にVirtualBox 1.3.8 for Linuxを導入し、Windows VistaやCentOS 5をゲストOSとして稼動させてみました。
VirtualBoxの機能・使い勝手はVirtual PC相当ですが、機能的にはVMware Workstationのサブセットという感じです。

VirtualBoxがエミュレートする主な周辺機器は以下の通りです。
・ネットワークカード:AMD PCNET Family Ethernet Adapter(AMD 79C970 [PCnet32 LANCE])
・サウンドカード:Intel 82801AA AC'97 Audio Controller
・ビデオチップ:オンボードタイプ(VirtualBox VBE BIOS)

ここではVirtualBox 1.3.8 for Linuxの導入、ブリッジネットワークの設定及びゲストOS(Windows Vista/CentOS 5)の実行手順を紹介します。


1.ホストOSの環境

ホストOSの環境は以下の通りです。
・CPU:Core 2 Duo E6600
・チップセット:Intel P965
・メモリ:3GB
・VGAカード:nVIDIA GeForce 7600GT (VRAM 256MB)
・LANカード:Intel PRO/100 S Desktop Adapter
・OS:Fedora Core 6(FC6)



2.VirtualBox 1.3.8 for Linuxの導入

今回使用したファイルはhttp://www.virtualbox.org/wiki/Downloadsで公開されているVirtualBox_1.3.8_Linux_x86.runです。




3.ブリッジネットワークの設定

VirtualBoxのネットワークは標準ではNAT型になっています。
このNAT型はQEMUのユーザモードネットワーク相当のものでホストOSの物理ネットワークには接続できない制限付きの仮想ネットワークです。
そこでゲストOSからホストOSの物理ネットワークに接続するためのブリッジネットワークを設定することをお勧めします。



4.ゲストOS(Windows Vista)の仮想マシン設定

ゲストOSの仮想マシン設定(仮想マシン環境定義)はVMwareのようなウィザードで行います。



5.ゲストOS(Windows Vista)のインストール




6.ゲストOS(CentOS 5)の仮想マシン定義とインストール

ゲストOSとしてCentOS 5をインストールする手順を簡単に紹介します。
尚、VirtualBoxの標準設定ではXenカーネルには未対応のようです。
XenカーネルでブートするとVirtualBoxの画面が消滅するか、ゲスト側のXenカーネルが途中でフリーズします。
※どのような異常が発生するかはXenのバージョンによって異なります。




7.Linux版VirtualBoxの用途について

VirtualBoxはXenにも対応したVMwareに比べると機能不足の面もありますがVMwareのようにUSB機器も利用できるので重宝します。

Linux版VirtualBoxはLinux環境の補助的ツールとして使用することもできます。
例えば無線LAN接続型プリンタのドライバのほとんどは現状ではLinux未対応のようです。
Linux側OpenOffice.orgで作成した文書をそのフォントのままLinux未対応プリンタに出力させる方法の一つとしてVirtualBoxの活用があります。
その活用方法は単純で、Linux側OpenOffice.orgで作成した文書を印刷用に一旦pdfファイル化し、そのpdfファイルをVirtualBox上のWindowsから印刷します。



8.VirtualBoxとVMwareの動作比較方法について

VirtualBoxのHost Interface(TAP)ネットワークとVMwareのブリッジネットワークは同時に稼動させることができます。
もちろんVirtualBoxのゲストOSとVMwareのゲストOS間の相互接続も可能です。
このためVirtualBoxとVMwareを同時実行させてネットワークを含めた両者の動きを容易に比較することができます(同時実行例)。