伊豆横道33観音霊場巡り

 

はじめに

 

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はじめに

最近、新聞やテレビで身元不明者の問題がクローズアップされています。特に、施設に収容されている方の中には氏名がはっきりしているのに、身元照会がされていなかったケースがあり、各地の警察や行政の連携が不十分だったことがわかりました。


そうした身元不明者の多くはやはり認知症患者です。ある日、フラーッと家を出て帰る場所がわからず、悲しい運命をたどることになってしまいます。これは多くの高齢者にとって人ごとではなく、私なども最近もの忘れがひどく、時に、今考えていたことが何であったかさえ思い出せないことが度々です。

 
体が何とか言うことを聞くうちは、アルツハイマー病や認知症を発症しないようにせいぜい努力できることはやってみなければなりません。現在の医療現場では研究もかなり進み、実際に薬など開発もされているようです。専門の医師を通じてそうした恩恵を享受することも大事です。


さて、そうした道筋を忘れないことにして、今のうちに何を成すべきか、と考えた時に、ふと、“古寺巡礼”を思いつきました。我ながら唐突な感じをぬぐえませんが、伊豆の地図を眺めていた時に、歩いてみようという気になりました。いわゆる札所巡りです。


札所巡りは伊豆の場合、伊豆88か所霊場巡りと伊豆横道33観音霊場巡りがあります。先ずは手始めに後者を巡ることにしました。本書は2014年6月から2015年3月27日に結願するまで、12回に及んだ巡礼の記録です。

 

 

なお、この巡礼は出来るだけ歩くことを主眼にしながら、電車とバスを乗り継いだ日帰りで計画しました。従って、全体に無理のない旅となりました。白田に普応寺というボケ封じのお寺があります。神仏にすがってボケが予防できると考えているわけではありませんが、神仏への理解を少しでも深めることができたら、それで充分です。

 

平成27年7月10日 inada

 

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