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1 |
三つ橋渡った |
「信州からいい蕎麦粉が届きましたんで、若先生に蕎麦がきでも……」 |
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2 |
恋娘 |
信州から蕎麦粉のいいのが届いたので、と、決して軽くはない荷を自分でかついでやって来た深川の長寿庵の主人、お上からお手札を頂いて、町奉行所のお手先をつとめてもいる長助が、陽のよく当る、るいの居間で早速、喋り出したものである。 |
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3 |
黄菊白菊 |
そんな或る日、深川の長寿庵の長助が、信州からいい蕎麦粉が届いたのでと、自分でしょって「かわせみ」の台所へ顔を出した。 |
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4 |
露月町・白菊蕎麦 |
「長助親分が東吾様にお世話をおかけしたからって、どっさり蕎麦粉を届けて下さいましたのですよ」 |
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5 |
橋づくし |
「深川の長助親分が、お蕎麦を届けに来て、お吉や嘉助に話して行ったそうですの。 |
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6 |
閻魔まいり |
明日は初午という日に、深川の長助がかわせみへ来た。極上の蕎麦粉が手にはいってからで「この前、若先生に、とんだ御厄介をおかけしましたんで、狸穴からお帰りになったら蕎麦がきにでもして、さし上げて下さい」 |
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7 |
牡丹屋敷の人々 |
たまたま、「かわせみ」へ蕎麦粉を届けに来た深川の長助が、るいの眼病を知って女中頭のお吉に話した。 |
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8 |
春の摘み草 |
「深川の長助親分が蕎麦粉を届けに参りまして、若先生がおいでならと申して居りますが・・・・・・」 |
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9 |
梅若塚に雨が降る |
翌日、東吾が八丁堀へ帰ろうとしているところへ深川から長助が蕎麦粉を届けに来た。 |
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10 |
六阿弥陀道しるべ |
信州から良い蕎麦粉が届きましたのでと、神林家の兄弟が揃って蕎麦好きなのを知っている長助が深川から背負って来て、すぐ帰るというのを「敵の家に来たって茶の一杯は飲むものだというそうじゃないか」 |
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11 |
煙草屋小町 |
翌日の午後、深川長寿庵の長助が、信州から良い蕎麦粉が届きましたので、と「かわせみ」へ届けに来て、ちょうど宿屋は一番、暇な時刻、手持無沙汰な嘉助のいる帳場へ上り込んで世間話をはじめた。 |
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12 |
矢大臣殺し |
向島の桜の蕾もかなりふくらんで、人の気持も浮かれ出しているのだろうと、それにしてはまだ冷たさの残っている夕風の中を、二人は大川端へ帰ったのだったが、その翌日、長助が蕎麦粉を抱えて「かわせみ」へやって来た。 |
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13 |
百千鳥の琴 |
自分も一緒になって奔走したことは棚に上げ、東吾は長助が届けて来た年越し用の蕎麦粉で、一足早く作った蕎麦がきを旨そうに食べている。 |
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14 |
薬研堀の猫 |
十二月になって、深川の長寿庵の長助が、「新しい蕎麦粉が信州から届きましたので」と、自分で「かわせみ」へ背負って来た。 |
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15 |
福の湯 |
「かわせみ」一同が、やれやれと安心しているところへ、今度は長寿庵の長助がやって来た。信州からよい蕎麦粉が届いたからとかついで来たものだったが、「ちょっとばかり、お願いがございまして・・・・・・」という。 |
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16 |
夢殺人 |
数日後、深川の長寿庵の長助が、信州から新しい蕎麦粉が入ったのでと、「かわせみ」へ届けに来たついでに、番頭の嘉助に話したところによると、三春屋のおふじ殺しに、畝源三郎はかなり手を焼いているという。 |
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17 |
柿の木の下 |
「どうも、立春大吉の日に、こんな話を致しますのは気がひけますが……」碾きたての蕎麦粉を届けがてら、長助が勘左の死を告げた。 |
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18 |
横浜から出て来た男 |
「長助親分が蕎麦粉を届けに来たんですけど、若先生のお昼がまだなら、蕎麦をうちましょうって・・・・・・」 |
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19 |
蝦蟇の油売り |
安心して講武所へ出かけたのだが、三、四日経って、今度は「かわせみ」に深川の長寿庵の長助が、「秩父から蕎麦粉が届きましたので・・・・・・」とやって来た。 |
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20 |
穴八幡の虫封じ |
「どうしましょう。長助親分が上等の蕎麦粉を沢山、届けてくれましたのですけれど・・・・・・」八丁堀の屋敷へ半分、持って行ったものかどうかという。 |
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21 |
春の雪 |
数日後、深川から長寿庵の長助が、信州から新しい蕎麦粉が届いたからと、自分で「かわせみ」へ背負って来た。 |
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22 |
猿若町の殺人 |
たまたま、信州から今年の蕎麦粉が届きましたで、と、長寿庵の長助が「かわせみ」へやって来たのを、女中頭のお吉がつかまえて、東吾とるいがくつろいでいる居間へひっぱって来た。 |
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23 |
月夜の雁 |
それから五日。「信州から秋蕎麦が届きましたので・・・・・・」と長助が「かわせみ」へやって来て、「いい所へ援軍が来たぞ」 |
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24 |
春の高瀬舟 |
「かわせみ」の帳場に高笑いが響いてから五日目、畝源三郎から手札をもらっている深川の岡っ引、長寿庵の長助が蕎麦粉を届けがてら「かわせみ」へやって来て報告した。 |
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25 |
名月や |
秋一番の蕎麦粉が入ったので、それを届けがてら、長助が「かわせみ」へやって来たのだという。 |
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26 |
冬鳥の恋 |
翌朝、なんとなく、東吾に麻太郎の噂を話しそびれている中に、深川の長寿庵の長助が蕎麦粉を届けに来て、 |
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27 |
宝船まつり |
「長助親分が蕎麦粉を届けに来ましたんですけれど、たしか、若先生が御用がおありだとかおっしゃってましたでしょう」 |
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28 |
大力お石 |
長寿庵の長助が蕎麦粉を届けに来た時、それとなく、田舎から出て来た奉公人はどのくらいでお国訛りがなくなるものかと聞いてみると、 |
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29 |
大山まいり |
律儀な長助らしく、七月三日の午後に、「昨夜、帰って参りましたんで・・・・・・」大川端町の「かわせみ」へ顔をだした。道中の土産物の他に、新しい蕎麦粉も背負って来て、 |
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30 |
老いの坂道 |
「まだ、ちょっと早すぎて香が足りねえようですが・・・・・・」と秋蕎麦粉を届けに来たので、東吾がふと思いついて原久蔵の釣りの話をした。 |
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31 |
千手観音の謎 |
「長助どのが来ているのではありませんか」廊下へ膝をついた女中に訊いた。「はい、旦那様に蕎麦粉の新しいのを届けて参りました」 |
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32 |
三婆 |
月が替って、長助がこの秋一番の蕎麦粉を届けに来て、八丁堀の神林家の分も持っているのだが、と、いささか一人で届けに行くには敷居が高いような顔でいうので、東吾は、「それなら俺が届けに行くよ」と下駄をはいた。 |
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浦島の妙薬 |
ちょうど深川の長寿庵の長助がこの秋の蕎麦粉を持って来たところで、「なんでしたら、あっしが蕎麦を打ちますので・・・・・・」というと、宗太郎は大喜びした。 |
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有松屋の娘 |
長助も嫌いなほうではないから、かついで来た蕎麦粉の荷を上りかまちにおいて、早速、下駄を脱いだ。 |
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35 |
有松屋の娘 |
そして年の瀬。年越し蕎麦を打つために、わざわざ蕎麦粉持参で「かわせみ」へやって来た長助が有松屋藩兵衛の伝言を告げた。 |
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36 |
猫一匹 |
お吉が苛々して天を見上げていると深川から長助が来た。「どうも両国は、とんだ孔雀騒動でござんして・・・・・・」届けに来た蕎麦粉を台所の板の間へ下していったのに、忽ち、お吉がとびついた。 |
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夜鷹そばや五郎八 |
午下りの、大川端の旅籠「かわせみ」の帳場で蕎麦粉を届けに来た長寿庵の長助に茶碗酒を運んで来たお吉が派手な声を立てたのは、長助が向柳原の夜鷹蕎麦屋殺しを話をしたからで、宿帳を眺めていた番頭の嘉助がまあまあと片手で制した。 |
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38 |
吉松殺し |
「長助どのが、この秋一番の蕎麦粉を持って参りまして、よろしければ少々、蕎麦を打って参りますとのことでございますが・・・・・・」 |
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39 |
昼顔の咲く家 |
暖簾をくぐると、出迎えた嘉助が、「只今、長助親分のお内儀さんが蕎麦粉を届けに来て居ります」台所を指して笑った。 |
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40 |
亥の子まつり |
その二日後、「ちょっといい蕎麦粉が入りましたんで・・・・・・」と深川長寿庵の長助が「かわせみ」へ顔を出した時、降りよく東吾は軍艦操練所から帰って着替えをすませたところであった。 |
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41 |
猫絵師勝太郎 |
蕎麦粉を届けに来た長助にいたっては、「勝太郎さんにみせたら、どんなに喜ぶか。このところ、元気がないようで、永代の元締もだいぶ気にしていなさるんです」 |
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