御宿かわせみ傑作選2
「祝言」

2005年1月13日発売

「御宿かわせみ」が発表されてからすでに32年の歳月が流れ、今なお連載が続く長編ベストセラー時代小説となりましたが、その国民的人気シリーズの11巻から20巻より平岩弓枝さんご自身が厳選された10篇が、蓬田やすひろさんの美しい挿絵とともに「祝言」に纏められました。「かわせみ」ファンにとって「初春の客」に続く永久保存版の1冊です。


 単行本


麻生家の正月 (第11巻「神かくし」より)
大晦日に麻生七重が産気づいた。生まれたのは女の子で「花世」と名付けられた。宗太郎はさっそく親馬鹿丸出し、東吾は呆れてものも言えなかった。
祝言 (第12巻「恋文心中」より)
六月末のおだやかな夜、東吾とるいの祝言が行われた。源三郎夫婦がるいの親代り、立会人が松浦方斉と斉藤弥九郎という型破りな祝言であった。
矢大臣殺し (第14巻「雨月」より) 
深川佐賀町の布袋屋という一杯飲み屋で名主の倅の徳太郎が殺された。東吾は布袋屋に居合わせた同じ長屋の住人達を調べ始めた。
松風の唄 (第15巻「秘曲」より)
東吾は講武所付属の銃隊調練所で熱心に通ってくる川上武八という仁と知り合った。その調練所で銃が一丁紛失した。武八の娘はさる旗本に奉公に出ていて、そこの息子に殺されていた。
花世の冒険 (第16巻「かくれんぼ」より)
宗太郎、七重夫婦に男子小太郎が誕生した。皆の関心がそちらに向いて花世はおもしろくない。そこで、かわせみに一人で行こうと思い立ち、屋敷を抜け出してしまった。花世を助けて、永代の文吾兵衛が初登場。花世は文吾兵衛を「ひげもじゃもじゃ」と名付けた。
お吉の茶碗 (第17巻「お吉の茶碗」より)
お吉は骨董屋の売り出しで、大きなつづら一箱を1両で買ってきた。中にはいろいろな皿、小鉢が雑多に入っていた。その中の一つを自分の飯茶碗にした。
十軒店人形市 (第18巻「犬張子の謎」より)
松浦方斉が仙五郎の初孫の初節句に十軒店で評判の源七鯉を祝ってやることになった。ちょうどその時店の前で初老の女が子さらいをするという事件が起こった。
虹のおもかげ (第20巻「源太郎の初恋」より)
東吾は早朝、方月館からの帰り道で蝉取りの少年と出会った。別れた後も何故かその少年のことが心に残っていた東吾だったが・・不思議な縁だが、その子こそ東吾が我が子では思う麻太郎だった。
源太郎の初恋 (第20巻「源太郎の初恋」より)
源三郎の息子の源太郎は7歳になって急に背ものび、面差しも男らしくなってきた。新年に源太郎が花世に会ったとき、花世は歯痛でおとなしくしていた。源太郎は花世を歯痛に霊験あらたかだという日比谷稲荷に連れていった。
立春大吉 (第20巻「源太郎の初恋」より)
立春の日の朝、東吾とるいの子が誕生した。東吾によく似た女の子であった。通之進は「千度も幸せな春を迎えられるように」と願って千春と命名した。


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