御宿かわせみ傑作選
「初春の客」

2004年1月9日発売

「御宿かわせみ」が発表されてからすでに31年の歳月が流れ、今なお連載が続く長編ベストセラー時代小説となりましたが、その国民的人気シリーズの初期10巻から平岩弓枝さんご自身が厳選された9篇が、蓬田やすひろさんの素晴らしい挿絵とともに「初春の客」として纏められました。「かわせみ」ファンにとって永久保存版ともいえる1冊です。

*傑作選は単行本と文庫版が出ていますが、収録話が違っています。文庫版ついてはこちら


 単行本


初春の客 (第1巻「御宿かわせみ・上」より)
長崎から連れてこられた女と黒い犬。東吾と源三郎が金座・銀座役人の不正に立ち向かう、ご存じかわせみの第1話。
江戸の子守唄 (第1巻「御宿かわせみ・上」より)
東吾は麻生源右衛門から七重との縁談をすすめられる。るいに気を使い東吾はしばらくかわせみから遠ざかる。
一方るいはかわせみに置き去りにされた子供の世話に夢中になり、東吾と会えない寂しさを埋めようとする。
美男の医者 (第5巻「白萩屋敷の月」より) 
長助が連れて来た兄妹は、分散した呉服問屋の四条屋に取り立てにやって来たのだが、埒があかない。分散が仕組まれたものと睨んだ東吾は、かわせみに滞在していた美男の医者寒井千種に協力を頼む。ご存じ天野宗太郎が初登場。
白萩屋敷の月 (第5巻「白萩屋敷の月」より)
東吾は兄通之進の名代として出かけた白萩屋敷で青江但馬の御後室香月と会い、その美しさに驚いた。遠い日、兄と香月の間にあったであろう想いに心を馳せる東吾。
源三郎祝言 (第7巻「閻魔まいり」より)
御蔵前片町の両替商江原屋の主人佐兵衛が殺された。江原屋は源三郎の蔵宿であった。女とは縁のなかった源三郎がとうとうお千絵と結ばれる。
虫の音 (第8巻「二十六夜待の殺人」より)
東吾は松浦方斉の供をして出かけた帰り、綱坂で若い女に声をかけられた。
岸和田の姫 (第9巻「夜鴉おきん」より)
東吾は源三郎と一緒に代々木野に隠遁する老師の見舞いに出かけた。そこで道に迷っていた品のいい少女と知り合った。
忠三郎転生 (第9巻「夜鴉おきん」より)
江戸の町に病人のいる家ばかりを狙う盗賊が跳梁していた。例によって源三郎の手伝いをしていた東吾は、天野宗太郎に相談に行ってみた。以前登場した稀代の悪党江嶋屋の忠三郎がまたまた悪事を企んでいた。
春の寺 (第10巻「鬼の面」より)
酒問屋吉井屋の息子長太郎が15年ぶりに家に戻って来た。しかし、店は既になくなっていた。長太郎は妾腹の子だが、自分を育ててくれた吉井屋の本妻を探していた。


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