皆様、沢山のご応募ありがとうございました。たった一言ですが、その一言に登場人物の思い、作者の思い、そして皆様の思いが込められているようです。

ご応募順(敬称略)

名前 題名 お気に入りの一言 理由
こばち 嫁入り舟 「私、この頃、麻太郎は本当に私が産んだような気がしてならないのでございます」 香苗さんは自分が子供産めないことにものすごい哀しみを感じている人だとおもうのです。しかし自分のそういう苦しみを超えて養子とした麻太郎ちゃんを心から愛し、慈しむ人柄は長助親分が「まるで観音様のように」に感じる姿形の美しさだけではなく、心の美しい人なのだな、と思います。
この場面は読みなおす度に涙がこぼれます。香苗さんが中心となるお話はほとんどありませんが、一言一言が単なる脇役ではなく、心の暖かさが伝わる言葉に感銘を受けます。
TVドラマ 「馬鹿ばっかし・・・」 ふたりのほほえましさが伝わってきて、大好きです。
真野るいのこのセリフが好きなのかな・・・
最近の作品にはあんまり出てこないような・・・
Kazumi 忠三郎転生 「正直に申すと、好きな相手が一人娘なのです」  宗太郎さんがだんだんレギュラー化してきたころ、私はなんとなく、 この方と七重さんが夫婦になればなあ、と思っていました。
この話を読み、前後からしてこの一言はまさしく七重さんのことを言っているにちがいないと思いました。 それはとりもなおさず、東吾さんとおるいさんの祝言への障害が かなり取り除かれることを意味しています。
もちろん、宗太郎さんと七重さんが幸せになるのも、とてもウレシイ!
この一言は「幸せへの第一歩」!!
喜美枝 祝言 「二人を誉めてやって頂きとうございます。殊にるいどのは女の身、長の歳月、さぞ、つらいこと、悲しいこともあったろうと推察致します。よくぞ、今日の日まで待っていてくれたことと、東吾の兄として礼やら詫びやら申したい気持でございます」 るいと東吾の祝言での兄、通之進のあいさつの言葉。弟とその恋人を早くいっしょにさせてあげたかったけれども、家督相続のことなどで随分とまたせてしまった。弟思いの兄のやさしさが感じられ、特に最初の「二人を誉めて・・・」にはじーんときます。
喜美枝 立春大吉 「・・・立春のめでたい日に誕生した故、千度も幸せな春を迎えるようにと願って千春、とつけた・・・」 通之進の言葉。「千度も幸せな春」という表現がとても素敵だと思います。
モコモコ 岸和田の姫 「泉州の春も美しいと思いますよ。花姫様の行かれるところ、春は必ず、美しい。なぜなら、あなたは花の姫君ですからね」 「これにてお別れを申します。末永く、お幸せに・・・」見送っている東吾の耳に、やがて聞こえてきたのは鳩笛の音であった。途切れ途切れに、しかし、懸命に花姫は鳩笛を吹いている。・・・・
昔見た、「ローマの休日」を彷彿させるお話です。夕映えの中の、花吹雪の中で、「なんと美しい・・・、花は生涯、忘れません。お江戸の春は、たとえようもなく見事で、そして・・・悲しい・・・」
ここら辺で、いつも目がウルウルしてきます。
阿蘭陀正月 「おまけに持つべきものは、良い友だ。酔っぱらって、ぼんやりしていたって、本能的におかしいと思ったら、宗太郎の小鉢を取り替えている」 全体的に、ここの東吾、宗太郎のやり取りが好きです。中でもこの一言(?)は、東吾の鋭さ、聡明さ、見識の高さ・・・等々、端的に表していていいですね。
夏海 筆屋の女房 「あんな、狐を馬に乗せたような女を、若先生が何とも思いなさるまいが...」 東吾さんを頼ってやって来た筆屋の女房を例えた嘉助さんのちょっとキツイ一言ですが、るいさんが余計な気を廻すといけないから、という優しさも見てとれます。
それにしても「狐を馬に乗せたような女」とは嘉助さんの表現力って冴えてますね(笑)
たまこ 江戸の子守唄 「東吾様が本当にお酒をおすごしになって、私どもへお泊り下さるほど、お心を許していただけたら」 こういう純でせつない恋心、江戸時代も21世紀も同じなんだろうな・・・と思わせる、胸キュンの一言です。でも七重さん、この後でほんとうに生涯お互いの心を許しあえる伴侶と出会えてよかったですね〜
たまこ 白萩屋敷の月 「あの人は人の妻・・・いう折もなく、いう言葉もないではないか」 ああ、なんと残念な! 香月さんのほうも「口に出すくらいなら死にます」と・・・お互いの気持ちが伝わらないままに、ついに終わってしまったのですよね・・・でも、自分を押さえて相手のことだけを想うお互いの気持ちが切々と伝わってきますね。お互いに知らないままで終わったからこそ、美しさもまさるのでしょう。
たまこ 笹舟流し 「ばれましたんで・・・」 ようやくようやく、待望の若先生とお嬢さんの赤ちゃんが!という、嘉助さんの万感胸に迫る思いが、この短い一言にこめられていますね。
東吾さんとるいさんの場面は読者の想像にまかせ、宗太郎さんと嘉助さんの会話で幕となる、この「るいさんご懐妊発表」編のラストシーン、私の大のお気に入りです。
きくしん 嫁入り舟 「どうぞお笑いにならずに聞いて下さいましね。私、この頃、麻太郎は本当に私が産んだような気がしてならないのでございます。」 「千手観音の謎」は香苗さんが、通之進さんにだけは粗忽者とか醜い女と思われたくないと思い悩んで、壊れてしまった観音さまを直すはずが、ひょんな事から事件に…と言うお話ですが、香苗さんの無垢な感じがとっても好きです。同様に「嫁入り舟」でも、さすが長助親分が天女・観音と仰るだけあって、大きな穏やかな海のような心のたたずまいだと思いました。
私は関西人特有(?)のイラチですしガサツなので、香苗さんのおおらかな手弱女振りに、私の大好きな通之進さんの奥様にピッタリ!!と胸がキュンとなってしまいます。
千手観音の謎 「お願い。東吾様、今のこと、内緒にして下さいましね。旦那さまにも…決してお話になりませんように。一生のお願いですから……」
Kazumi 岸和田の姫 「なんと美しい・・・花は生涯忘れません。お江戸の春は、  たとえようもなく見事で、そして・・・かなしい・・・」 私はとことん、「岸和田の姫」が好きで、それはなぜかというと、身分は高いが自由はない花姫に対する、哀しいと思う感情と、逆に高貴な方への憧れでしょうか。たとえていえば、皇室の方々に憧れる気持ちと少し似ているかな。
夕暮れの桜をどんな気持ちで、花姫は見上げたのでしょう。
それと同時に、東吾さんの、誰にでもわけへだてなく(身分の高い、低い関係なく)接する優しい人柄が、大好きです。
管理人 冬の桜 「人は死ぬ時にだけ覚悟をきめるものではありません。生きると決めたら、どんなことにも負けないで生きつらぬくための覚悟がいるのです」 原作にはないNHKかわせみの中の香苗さんの台詞です。東吾と別れると言うるいに対して、香苗さんがかけた言葉で、苦しい恋愛にある二人を応援する香苗さんの温かい心情と強い心が現れている一言でした。
管理人 初春の客 「今年の三々九度だ。るい」 くぅ、こんな台詞言われたら、どんな女性もメロメロですよね。第一話のこの一言で「かわせみ」にはまった人も多いのでは。二人の熱愛ぶりが感じられる一言です。
管理人 橋づくし 「御心配なく、遅く帰った分だけ、かわいがってやっています」 新婚早々の源さんの一言。いつもいつも東吾とるいに見せつけられていた源さんが、東吾さんにみまわした強烈なパンチでした。
「やるなあ、源さん」と思わずうなった一言。
ふうこ 源三郎祝言 「畝源三郎、待ちかねた花嫁の到着じゃ。よう、顔をみるがよい」 みなさまご存知の通之進様の言葉です。
別にこの言葉だけをとっても、どうということはないんですがそこにくるまでの、いろんな出来事、心情を思うとページをめくって、このせりふを読んだとたん、胸にジンときてしまいました。
何度読んでも、いい(泣かせる)せりふですよね。
zmzm 源三郎の恋 「布団だと・・・・」 この話の結末はご存じの通りとても悲しいものなのですが、山口源さんのなんとも源さんらしい話で大好きでした。(テレビの方はおよねさんが助かったので、原作よりは救いがありました。)
この話の中で、東吾さんは絶句して、ほっとして、ぎょっとする。なんともユーモラスでした。極めつけがこの科白です。
対照的に、源さんは大まじめで周りの皆の心配もどこ吹く風。東吾さんでなくても、源さんの行く末を案じてしまいます。・・後にお千絵さんと出会えて良かった、良かった。
千姫 祝言 「今夜は帰るにおよばぬ」 これって、東吾とるいの祝言の終わった夜、まじめな通之進が東吾に掛けた言葉なんですけどね、お茶目でしょう。でも、皆を泣かせるんですよねぇ。

婚礼前、るいはいつもお正月を一人で迎えたり、節目、節目に「一緒にいて欲しい」と言えず...東吾も後ろ髪引かれる思いで帰っていたから、祝言をあげてやっと、ほっとする・そんな二人の気持ちを通之進は理解し、心から祝福したかったんでしょうね。家長として、けじめをつけた二人の付き合いが、うれしくもあり、いじらしくもあり・・・。
千姫 黒船稲荷の狐 「まさか、かわせみを追い出されて参ったのではあるまいな」 いづれも通之進の言葉なんです。私は源さんが贔屓なのに、心に残っている言葉は全て通之進の言葉が浮かんでくるんです。
弟を思う気持ちがほのぼのと伝わって、ユーモアと言うか、言葉の中に”粋”を感じるんですけど・・・。
私も、こんな粋なユーモアが使えるといいんですが、私が言うとブラックになっちゃって。まだまだ、修行が足りません。
八丁堀の湯屋 「久しぶりに早く戻って、東吾の講釈を聞いたぞ」
花冷え 「当分の間、東吾の外出を禁止する。部屋住みの身でありながら・・・」
紫陽花 藤屋の火事 「お六さんをみたとき、なにかが欠けていると思ったんです」
「そのなにかが、わからなかったんですけど……あの人、いつも飢えているみたいでしたのね。高いところを見つめて、自分がそこへ届かないといっては腹を立てたり、悲しんだりしている。もっと手近かに幸せがころがっていたかも知れないのに……」
いつの時代も青い鳥は家にいるんですよね。そしてそれに気がついたとき自分の手から去っていったりして。
ひらきん 嫁入り舟 「私、この頃、麻太郎は本当に私が産んだような気がしてならないのでございます」 香苗さんの優しさ、子供に恵まれなかった、子供が欲しかった香苗さんのさまざまな想いが伝わります。それを「菩薩のようだ」と思う東吾さんのうれし泣きの様子も大好きです。自分が母親になり、慈しんでくれた親の有難さがわかってきたから、しみじみ心に響くのかもしれません。
Kazumi 春の寺 「大体、俺達の子は行儀がよすぎるんだ。晴れて夫婦になるまで、 じっと辛抱して待ってるんだと、俺は思う」 東吾さんて、もう素敵。
 なぜ、この言葉が好きかと聞かれても、うまく説明できません。東吾さんとおるいさんの間には、言葉を超えた深いものがあると思い知らされたというか、あらためて、この二人の間には、誰も入り込めないというか・・・。
ゆい 桐の花散る 「桐の花が咲く度に、お幸せをみんなしてお祈りして居りますよ」 こんな気持ちがとても暖かくなるような言葉を、すらっと言えるような人になりたいなぁ、と思いまして。
ゆい 藍染川 「俺の場合は、逢い初めが、お別れだ」 もしか双子かもしれない、清太郎と新之助がようやく再会できたのに、それが「逢うは別れの始まり」になってしまうなんて、なんだかせつない気持ちがこの一言に凝縮されているような気がします。
ゆい 江戸は雪 「佐吉が、なにか人様から誤解を受けましたでしょうか」 東吾さまと同じく、「間違いをおこしたか」と聞かなかったところにとても好感を抱きました。私も見習って、こういう心配りが自然にできるようにしたいなぁ、と思いまして。
ゆうき 目籠ことはじめ 「女は好きな人のためなら自分を捨てることが出きますもの」 おみやさんと清太郎さんのお互いを思いやる心がせつなかったです。特におみやさんが清太郎さんを身をもって暴漢から護る姿には感動しました。私には出来ません…と思いました。幸せな結末も良いですね。


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