八丁堀の組屋敷の中にある神林家の庭は、萩の花が盛りであった。
東吾が武蔵屋の池のほとりまで出てみると、ちょうど月が頭上にみえた。
足許には僅かだが萩の花が咲いている。
根岸の白萩屋敷を思い出して、東吾は萩を眺めた。兄の初恋の人である香月尼が歿ってから、あの白萩屋敷はどうなっているのだろうと思う。
こでまりさんの「はいくりんぐ」の今月のお話は「白萩屋敷の月」
そこで当HPでも「かわせみ」に登場する「萩」を探してみました。
白い清楚な花、秋の風情にぴったりの少し寂しげに感じる花。


るいは自分の幸せを、ここにみつけたのかといってやりたい気がして、東吾はめっきり秋の気配の濃くなったかわせみの庭を眺めた。
萩の花が真盛りで、あたり一面、白い花片が散りこぼれている。
根岸へ着いたのは日が暮れて間もなくで、思わず息を呑んだのは、白萩屋敷の萩が満開だった故である。
垣の内は、どこも白い花が重たげに枝を埋め、花の下には花が散りこぼれていた。
能役者、清大夫


藤屋の火事


境内は見渡す限り萩の花であった。
庭の目立つ所に芭蕉の句碑が建っている。

濡て行人もをかしや雨の萩
白萩屋敷の月

残暑の中には違いないが、狸穴坂を下りて行くと崖っぷちにはもう山萩が咲だしているし、尾花の穂が出はじめている。

麻布の秋


二軒茶屋の女


あちゃという娘


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