「夕涼み殺人事件」の変更点は逢曳が媾曳に、文身が刺青に。あと細かい句読点の変更があって、細部までチェックされていることが分かります。


夕涼み殺人事件
変更点
夕涼みというのには遅すぎる深夜の媾曳の最中だったのだろう、 逢曳→媾曳
(以後すべて変更)
こいつは滅法、旨い素麺でございますから、神林様の若先生がおみせなすった時に、召し上って頂いて下さいまし 若旦那→若先生
かわせみは大川端で、居ながらにして涼みが出来るから 『かわせみ』→かわせみ
(以後すべて変更)
ついこの間、るいが縫い上げて届けた越後上布の着流しで、颯爽と入って来た。 つい、この間→ついこの間
縁側へ出て、柱を背にして飲みながら、東吾は、暫く暗くなった大川を眺めている。 漸く→暫く
最初が脇差、昨夜のは、
太刀です」
大刀→太刀
(以後すべて変更)
相手かまわぬ、辻斬りのような犯行だと、このあとも犠牲者のでる危険があった。 出る→でる
源三郎が腰を上げたのは、子の刻(午前零時)近くで 追加
「あの、畝さまからのお使で、 お使い→お使
明石橋のは、殺された小料理屋の女が、店をしまって出て行ったのが、四ツ(午後十時)すぎとわかっているので、それから媾曳で明石橋あたりへ来たとすると、早くて子の刻(午前零時) 明石橋のが→明石橋のは
時刻追加
逢曳→媾曳
いくら夜でも、槍をかついで人殺しに出かけたら、目立つだろうなあ」 いくら、夜でも→いくら夜でも
「槍の穂先を持って近づいた下手人にまず伊兵衛か、 追加
「いいえ、まだ、そうなってからは一月かそこらで そうなってから、→そうなってからは
名前を刺青にして体に彫れのと、野暮なことをおっしゃるが増えてしまいました 文身→刺青
(以後すべて変更)
お方→方
「わざわざ、若先生のお耳に入れるまでもございませんような話でございますが 東吾様→若先生
体が弱いせいか、若さがなく老けてみえるが眼鼻だちのやさしい 年齢より→若さがなく
東吾は、おはまの右手の親指と人差指のつけ根の交差するあたりに 右手に→右手の
「親父が賭け事に夢中で、おたよが病気になった時分 賭事→賭け事
「おはまは右手にほくろがあるな」 黒子→ほくろ
家は藁葺きが多く、軒は低い。 藁葺→藁葺き
「おはまの手に入れぼくろがあったから思いついたんだが・・・・・・」 あったのから→あったから
「伊兵衛がおはまを手ごめにしたのは 、を削除
俺も一つ、わからないことがある」 俺にも一つ→俺も一つ
たしかに、とんでもないことに違いないが、 とんでもないことには→とんでもないこと
「これも想像だが、おはまは柳橋の小文のところへ 、を削除
少なくとも伊兵衛は小文とはなれて、何歩かおはまのほうに近づいた。 、を削除
源三郎は迷っているらしい。
東吾にしても、確信はなかった。
削除
それも源三郎の指図らしい。 、を削除
姉さんは、あの男を怨み続けてきました 来ました→きました
毎夜のように伊兵衛が柳橋へ通って行くのを、おはまは知っていた 知った→知っていた
そして、更に一カ月後、明石橋と柳原土手の男女殺しの下手人として 一カ月の後→一カ月後


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