前作「通之進様ファミリー」の完成により「かわせみ」ファミリーも勢揃いし、これで春霞さんの「かわせみ」人形の制作は終ってしまうのかという皆さんの心配に、今度は「かわせみ」に登場した心に残るゲストを制作して下さると力強く宣言して下さった春霞さんから、ついに届きました!
皆さんからにリクエストの多かったこの方です、どうぞお楽しみ下さい。
春霞さん、本当にありがとうございました!

春霞さん制作秘話

レギュラーメンバーを作り終えて、第2ステージに足を踏み入れました。
手始めに「六月のお話」ということもあり、リクエストの一番多かった「鬚もじゃもじゃ」を作ってみることにしました。

イメージはすでに出来ていましたので、文吾兵衛さんはちょっとでっぷりとお腹に綿の脂肪をつけて股引と腹掛けで着付けました。さぁ、ここまでは順調だったのですが、トレードマークの鬚がうまくいきません。もじゃもじゃ感を出すために指に毛糸を巻きつけてカールを作って留めつけていったのですが、これが“石川五右衛門”やり直して次が“ライオン”またまたほどいて今度はなんと“カールおじさん”もうお手上げです。写真のはフリンジのようにしてカットしたのすが自分では納得していません。だって鍾馗さんみたいですもの。(又、愚痴ってる...と蔭の声)花世ちゃんは小さくて縫いづらっかったのですが足底に重りも入れてないのに立ってくれました。お話の雰囲気は出ているとは思うのですがいかがでしょうか。


言わずと知れたこの方「永代の元締」。
花世ちゃんにとっては「髭もじゃもじゃ」ですよね〜

花世が目ざめたのは布団の中であった。
 目を開けると、のぞいて来た人の顔にぶつかった。
 髭がもじゃもじゃの大きな顔である。
「お嬢ちゃん、目がさめたのね」
 髭もじゃもじゃが、優しい声でいった。
「お嬢ちゃんは、小父さんちの舟に乗っていたんだよ」
 頭の中がはっきりして、花世は起き上った。
 髭もじゃもじゃの隣に、もう一人、とうたまより少し若い男の人がいる。
 髭もじゃもじゃが制した。
「そんなにいっぺんに訊くもんじゃない。びっくりしているじゃないか」
「親父の髭にびっくりしているんじゃないかな」
 花世は気をとり直した。
「名前は、はなよ、といいまちゅ」

                   「花世の冒険」(かくれんぼ)より



おんぶしてもらってご機嫌の花世ちゃん

元締もきっとご機嫌でしょうね!

貫禄充分の永代の元締
立派な髭に春霞さんの苦労の程が忍ばれます。
 

                                             

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