2000.11(宿泊)

伊香保温泉    千明仁泉亭  

 JTBの「群馬・栃木」版 のパンフレットの中で草津温泉と伊香保温泉は対のように なって特別企画がくまれていることが多く、今まで何回か利用したがどの旅館が良いかということを 知ることもあってその都度泊まる旅館は変えていた。
 草津温泉に泊まった次の日に伊香保温泉に泊まるという感じであったが、今年も同じ特別企画が くまれたので今回は伊香保では老舗旅館である「千明仁泉亭」に泊まってみようと申し込んで今回の 旅行となった。

     ホテルの全景

     玄関前にて

 四万温泉を 後にして伊香保温泉に向かう。
 伊香保温泉への坂道を上り始める頃から雨が降り始め温泉に着いた頃にはかなりの雨となっていた。
 チェックインするには少し早い時間だったのでクーポン券に付いている「逗留券」を使って 「徳冨蘆花記念文学館」に行ってみることにする。
 旅館で「逗留券」を貰い坂道を下りると直ぐの所に文学館はあった。  徳富蘆花の生涯や名作「不如帰」が伊香保で書かれた経緯などが館内いっぱいに展示されていて 大いに勉強になった。  その旅館に泊まるというので少し期待しながらのチェックインである。
 「千明仁泉亭」は 如何にも老舗らしい木造三階建ての少し古い感じのする建物 で玄関を入ると右手に帳場があり直ぐに階段があっていかにも昔風の旅館という感じでである。

   部屋からの眺め

     部屋

 チェックインすると直ぐに部屋に案内された。帳場の前の階段を1段上がった2階の262号室である。
 部屋は10畳の和室で窓側に2畳ほどの広縁がありその右手はトイレで風呂は付いていないという少し変わった配置の部屋であった。  部屋は畳や壁紙など全体的に黄色がかってやはり少し古いという感じがしたが襖や天井など昔風の造り と掃除や手入れがよくしてあることで部屋そのものは居心地良さそうな雰囲気を醸し出していた。
 部屋からは庭園の向こうに上州の景色が広がる予定のところであるがあいにくの雨のため残念ながら 霞んで見えない。
 お茶を入れて くれた仲居さんと「徳富蘆花記念館」の話をしながら 夕食と朝食の時間を調整して暫く部屋で休み風呂に行くことにする。
 ここの旅館は露天風呂と大浴場が別々になっているので先ずは露天風呂に入ることにする。  部屋から階段を下り案内標識に従って行くと外に出る。階段になっている坂道を下っていくと 突き当たりに風呂の棟があり左に女性用右に男性用の風呂の入り口がある。

     露天風呂

     大浴場

 脱衣場で 浴衣を脱いで中に入ると直ぐの所に小さな内湯があり左手 に露天風呂への戸がある。
 露天風呂は全体的には庭園風岩造りというところで湯は伊香保温泉の特徴である茶褐色をしている。  湯舟は真ん中に大きな岩があるのでそんなに広くは感じないが実際はかなり広い。
 カルシウムの含有量が多いのか浴槽を兼ねている岩が茶色に染まっているのが如何にも温泉らしい 雰囲気を感じさせてくれる。
 小雨が降っている ので浴槽の外側に出ないで湯浴みをすることにする。
 暫く一人で入っていたのだが一人二人と宿泊客が風呂に入ってきたのを契機に身体を洗いまた湯に ゆっくり浸かって風呂から上がる。
 部屋に帰る途中フロントによって夕刊を見たいのですがというと中から持ってきてどうぞ部屋に持って 行ってくださいと云って夕刊を手渡してくれた。流石老舗という感じである。
 部屋でビールを飲み休んでいると夕食の時間が近くなったので再び露天風呂で温まり部屋に帰ると 夕食の支度が整っていた。
 女房殿も 風呂から上がってきて夕食の始まりである。
 料理は草津温泉の「金みどり」と同じく最初に殆どの品が並んでいる宴会風のものである。  内容的には値段相当というところであろうか。特に特徴のあるものは無かったが老舗らしく味付けは なかなかのものでそれぞれ美味しく頂いた。

     乾杯

夕餉の料理













 翌朝起きてみると 雨は上がっていたが相変わらずどんよりとした天候であった。
 部屋の入り口に行くと朝刊があったので安い値段の部屋でも朝刊を置いてくれるとは流石老舗旅館と またまた感心したのであった。
 朝風呂はやはり露天風呂ということで1階から階段を下って風呂の棟に行く。  茶褐色の湯に浸かりながら「徳富蘆花」が死を意識して最後に伊香保温泉のこの旅館を訪れ 一時的に良くなったものこの旅館で最後を迎えたという「徳富蘆花記念館」で知り得たことを思い出し、 温泉の魅力の深さに思いを致したのであった。
 風呂から上がり暫くすると朝食の支度が始まった。  料理は旅館の定番のものというところだが美味しく頂いた。  チェックアウトをする前に何時ものように名残湯にはいることにする。

満足度:風呂**** 料理*** 部屋*** 接客***

施設の概要

所在地 群馬県北群馬郡伊香保町45 Tel : 0279-72-3355(代)
  交通 ・JR高崎線渋川駅から伊香保温泉行きバスで
      30分終点下車徒歩5分
     ・関越自動車道渋川・伊香保IC→国道17号経由→
  施設  部屋数 34室  浴室 大浴場 露天風呂
      駐車場 完備
  泉質 酸性・含硫黄泉(酸性-含硫黄・アルミニウム硫酸塩・塩化物泉)
                       50〜95度
  効能 神経痛・火傷・皮膚病・筋肉痛など
  日帰り利用 1000円 13:30〜17:00