強羅温泉    頓狂楼早雲閣 2003.12(宿泊)

    旅館の全景

    玄関前にて

 以前箱根の大涌谷を
訪ねた時だったと思うが、強羅にある「大雄山最乗寺」の 別院の風呂に入ったことがある。少し濁った独特の泉質でなかなか良い風呂だったのだが、その別院へ 上がる道の入り口に有るのが「早雲閣」である。見たところ和風で良さそうな旅館なので何時か泊まって みたいと思っていたのだが、1.8万円からという宿泊料なのでなかなか機会が無かった。
 今回東武観光の「箱根・湯河原に行こう」という企画のスペシャルデーで1.1万円で泊まることが 出来るというので申し込み今回の旅行となった。
 今日は、 箱根に泊まるということで昼食を摂って1時過ぎの出発で ある。
 何時ものように大船から江ノ島、国道134号、西湘バイパスを経て箱根に入る。山道にさしかかると 道の側に植えてある楓や落葉樹、向かいの山々の木々が赤や黄色に染まって結構紅葉を楽しむことが出来た。
 箱根の紅葉は初めての様な気がするが結構なものだねなどと話しながら15時少し前に「早雲閣」に 着いた。

    部屋

   部屋からの眺め

 旅館の直ぐ前の 空き地に車を置いて玄関に向かうと左側に歓迎の立て札が ありその中に我々の名前も書かれてあったので何となく安心して玄関にはいる。
 ここの旅館もフロントでの宿帳記載が無く部屋でということなので案内されて2階に上がる。部屋は階段の 直ぐ近く、丁度建物の中間辺りで中に入り窓際に近づくと強羅や宮城野が眼下に広がった。
 部屋の広さは10畳で3畳程度の広縁が窓側にある。全体的にはそんなに特徴のある造りではないが床の間 に生花が生けてあるのは「もてなしの宿」と自称する証の一つなのであろう。
 仲居さんが入れてくれたお茶を飲んで早速風呂にはいることにする。

      大浴場

     露天風呂

 階段を降りて 直ぐの廊下脇に休憩室があり、そこを曲がって山手側奥の方に 行くと突き当たりが浴室棟になっている。1階は女性用、階段を上がり2階は男性用という感じだが斜面に 造られているのであろう何れも浴槽は地表面に造られている。
 脱衣場に浴衣を脱いで中に入ると木造の天井の高い大浴場がある。露天風呂はというと左手の戸を開けて 外に出たところに有るようなのだが、大浴場の浴槽の中を通って行かなければならない。多分後から造られた ためこのようにせざるを得なかったのであろう。
 戸を開けて外に出ると右手に岩造りの浴槽があり、左手の方には休憩をするような木造の机と椅子があった。 そこに座ると外の景色が見えるのかと思い近づいてみたが残念ながら前の棟が邪魔になって何も見えな かった。
 浴槽に入ると中の深さはあまりなく殆ど仰向けに寝ないと肩まで湯に浸かることが出来ない。泉質は フロントに「にごり湯の宿」と書かれた札が掛けられていたように少し黄色みを帯びて濁っているという 感じのもので舐めてみても殆ど味がしない。
 湯が右上から岩を伝って湯が流れ落ちているのだがその分の量が浴槽から溢れている感じで恐らく掛け流し なのであろう。
 湯の温度が少し温いので大浴場に入ってみることにする。こちらの方も浴槽から湯が溢れている。湯口に 柄杓が置いてあるのでここの湯は飲んでみるとやはり殆ど何の味もしなかった。
 大浴場の湯の方が温度が少し高いので充分に暖まることが出来たのでカランで身体を洗った後再び暖まって 風呂から上がる。
 部屋に帰って暖房がついていないにもかかわらず身体が暖まっている感じがかなり長い間続いたのはやはり 温泉の成分が効いていたのであろう。

     夕食風景

     夕餉の料理

 風呂から上がって くると既に夕食の支度が終わっていた。机に並べられた料理は 通常の会席料理という感じであるが通常の宿泊値段1.8万円〜よりは品数が少ない感じで、やはり スペシャルデーの値段を意識してつくられた料理なのではないかと思ったのは当方の貧乏人根性なので あろうか。
 普段、高島屋の地下で毎日のように新鮮な刺身を買って食べているので「マグロの赤身」「カンパチ」 「ホタテ貝」の3種盛りのお造りの程度としては普通というところだったが、揚げ物の魚は骨まで食べられ、 鍋物や前菜、酢の物などそのほかの料理は何れも手を掛けて作られた感じでそれぞれ大変美味しくいただい た。品数は少なかったが料理の質は充分に満足できるもので流石「もてなしの宿」を標榜するだけのことは あるなという感じである。
 朝起きると直ぐに風呂にはいることにする。この旅館は風呂が男女入れ替わらないので昨日入った同じ浴槽 に入ったのだが、昨日雨模様だった天気は嘘のように晴れて朝日が露天風呂の入り口まで射し込んでいた。 源泉から湧き出る湯の量が昨日とは異なりかなり多く、管から放物線状に勢いよく浴槽に流れ込んでいたのが 自然の営みを感じさせてくれる。
 朝食の料理も定番の料理に野菜サラダや湯豆腐がありミカンのデザートもあって満足できるものであった。

満足度   風呂**** 料理**** 部屋**** 接客***

施設の概要
  所在地 足柄下郡箱根町強羅1300番地 TEL: 0460-2-3311

  交通 ・箱根登山鉄道強羅駅からケーブルカー早雲山駅から徒歩2分
     ・西湘バイパス→国道1号経由→箱根湯本温泉→強羅温泉
  施設 浴室 内湯 露天風呂    駐車場 あり 
  泉質 含土類重曹石膏泉
      日帰り利用  不可