1999.02(宿泊)

宮浜温泉   宮浜グリーンロッジ(廃業)

宮浜温泉へ
 宮島の連絡船の
船着き場にあるバスの待合室で30分ばかり待って、ようやく 大竹行きのバスに乗ることが出来た。
 このバスは1時間に1本しか走っていないという貴重なものであったが、やはり電車の方が便利なのか 乗客は少なかった。一番前に座ってモンゴル運転手に「宮浜温泉に行きますか?」と聞くと「行きます。」 と云う。安心して車窓からの景色を楽しむ事にする。20分くらい乗っていると宮浜温泉に着いた。

宿舎にて
 玄関を
入ると「いらっしゃいませ。」という声がフロントから 聞こえた。見ると若い女性が一人フロントの中に立って頭を下げている。国民宿舎にしてはなかなか 丁寧な応対だなと、第一印象はOである。チェックインして部屋の鍵を貰い示された2階の部屋に行く。 階段を上がって2階の景色の良い側の廊下を歩いていてふと気が付いたのだが、こちら側には客室がなく、 廊下の内側が会議室などの大広間になっているのである。示された部屋は廊下を突き当たり右に曲がった 一番奥にあった。コの字型に造られた建物の内側即ち景色が一番悪い方向の6畳の部屋であった。 果たせるかな窓を開けても内庭というか広場が見えるだけである。「これは設計の誤りだな。」と 呟きながら風呂に入りに行く事にする。

  内風呂は3階にあった。こぢんまりとした脱衣場の奥が浴室になっていて、細長いガラス窓の直ぐ前が洗い場で、湯舟は壁側に奥行き1m弱の細長い10m位ものが造られていた。身体を洗いながら、湯舟に浸かりながら景色が見えるという配慮からこういう造りになったのであろう。残念ながら窓が磨りガラスになっていて洗い場からも、浴槽からも立って見ないと景色は十分に見えないのが、今一という感じである。湯は低張性弱アルカリ・放射能泉で温度が26度ということなので沸かしているせいであろう、入浴時間も朝6時から寄る11時ということである。湯は汗も出てなかなか良く温まる湯のようである。

  食事は 1階の食堂でとることになっていて、宿舎の中のクラスのもの を頼んだのだが、瀬戸内海の鯛とハマチなど3点盛りのもの、牡蠣のフライやエビの付いた口取りや、 カニの足が1本付いた鍋物、茶碗蒸しなど地のものを使った料理が出てまぁまぁのものであった。

  朝風呂 に入ったが、誰もいなくてまた十分に暖まることが出来た。 朝食は土曜日ということで人が沢山泊まっていたせいかバイキング方式であった。高級旅館程ではなかった もののコーヒーなども付いて、それを持ち出すことが出来るので、ロビーで新聞を見ながらゆっくり飲むこと が出来た。

  此処の良い ところは、従業員の人達の態度が、みな親切で丁寧というか 思いやりがあるという感じで、気分良く宿を後にすることが出来た。

 駐車場から 湯の山温泉館まではかなりの坂道になっていて右側に 小さな旅館や食べ物屋が並んでいた。坂道を更に上っていくと、どん詰まりのところに階段があり、 その向こうに「湯の山温泉館」が見えた。鉄筋2階建ての鄙にはまれのという感じの 建物で近づくと元気の良い女将さんの声が聞こえてきた。ここの受付をしている人で気さくな感じの人 である。地元の人が入りに来ると「嫁さんの具合はどうなんかいのー。」などと色々とその人の現況など 話題にしている。よく床屋がその土地の情報の発信地というがここではここの湯がその役割をしている のであろう。券を買って中に入る。

   温泉館の入口にて

  温泉館の全景

 まだ9時過ぎ という早い時間にも関わらずかなりの人が風呂に入っていた。 源泉が流れ落ちるという打たせ湯は3つ有るのだが満杯である。仕方がないので内湯でゆっくりと湯に 浸かることにする。そんなに大きくはない湯船だが無色透明の湯は結構潤沢に流れていて気持ちの良く 入っていることが出来る。放射能泉ということであるがその効能の程は分からないが、何となく有り難い 感じのする湯であった。次はやはり名物の打たせ湯を体験しなければと浴槽を出る。やっと空いた一つの 場所に入ってみる。湯というよりは水の流れに打たれるという感じである。これが本当の源泉と云うことで 人気があるのだという。暫く湯(水)に打たれていると少しずつ暖かいというか、気分がいい感じになって きた。隣の人の話ではこの打たせ湯は辺りの気温が低い冬の時が湯のような感じがするそうで、本当に良い 気分のものであるという。打たせ湯を充分に体験して再び内湯でよく暖まり、風呂から上がることに する。

     付近の風景

      内湯

 受付で パンフレットはないですかと尋ねたところ無いのですと 云われ代わりに「これが有るんですがのぅー」と差し出されたのが、「東西療養温泉番付」である。 なんと湯の山温泉が関西の前頭4枚目になっているではないか。行司の項を見ると温泉評論家の野口 それがしの名前がある。この人は有名な人ですよと受付の人に云って、番付を貰った。そうこうしている 内に女房殿も満足そうな顔をして上がってきた。受付の人がここの霊水はとても体にいいんですよと云う ので帰りがけにその水場に行ってみる。丁度地元の人が夫婦で水を貰いに来ていた。その人達は毎日のよう に水を貰いに来ているそうで、ペットボトルの様なものに水を入れると側にある賽銭箱になにがしかのお金を 入れて帰っていった。我々も水を一杯飲ませて貰い賽銭をあげて、水飲み場を後にする。

  満足度:風呂*** 料理 部屋 接客

施設の概要
  住所: 広島県佐伯郡大野町宮浜温泉1-19-47
            TEL:0829-55-1131
  交通 ・JR大野浦駅で下車タクシー5分
  施設 
浴室   内湯  駐車場あり
  泉質 単純泉  
  効能 神経痛、リューマチ、関節痛、など
  日帰り料金