修善寺温泉 の狭い道を上っていくと、左手にかなり立派な旅館が 見えてくる。新しい感じの高級旅館である。駐車場に車を停めて、玄関に入る。折から、チェックアウト の時間と云うこともあって、ロビーはかなり混んでいた。フロントの一人に断って、湯巡りを お願いしたいのですがというと、どうぞと案内してくれた。

　 浴場は フロントから廊下を曲がっていった庭園をはさんだ 向かい側にある。脱衣場に服を脱いで早速露天風呂に入ることにする。露天風呂は大浴場の前に有り、 大浴場を横切って左の方の扉から出ると直ぐの所にある。全体的には庭園露天風呂という感じで、 岩造りの浴槽の周にツバキなどの木々が植えられて小さな石灯篭なども配置されていて庭という 感じを表している。 大浴場からひさし状のものが出ていてその先端から簾が露天風呂の上に下されて いるのが少し異様に感じられたが、朝日の光を避ける為になされたのであろう。浴槽は大旅館の割には そんなに大きくはなく、周に民家がある関係上からか、垣根が比較的高く造られていて、湯船に浸かり ながらでは前の山が少し見えるくらいで展望はあまり良くなく、所謂野趣豊かな露天風呂という感じで はないが、露天風呂の雰囲気は十分に感じることが出来る。

　 大浴場は 焦げ茶色をしたタイルが敷き詰められた洗い場と少し ブルーがかった大谷石を底に敷き詰めた細長い矩形状の浴槽で、特に変わったという所はないが、施設が 新しい感じがする割には蒸気の排気が十分でなくガラス窓が曇っているのが残念である。

　 大浴場から 上がって服を着替えているとき、此処の旅館の風呂 担当と思われる人がきたので、少し話をしたのだがその人の話によると、此処の旅館はＪＴＢの 中伊豆方面でのサービス部門で１位になったとか、それは玄関に入った時の従業員の方の態度からも 伺えるものであった。