修善寺温泉   渡月荘金龍     2000.1(宿泊)

はじめに
  あれは 平成十一年の年末だったと思うが、港南台の駅の JRの旅宣伝ポスターの中に「伊豆内湯めぐりキャンペーン2000年」というパンフレット があった。 昨年に引き続き今年も伊豆湯巡りをするという企画のようである。一月はもしかする と雪が降るかもしれないのであまり遠くには行けない。

    渡月荘金龍の入り口

    渡月荘金龍の全景

伊豆あたりが一番に適当なところであるという ことで早速検討することにした。その結果今まであまり旅館の風呂に入っていない修善寺温泉が 適当であろうということで値段も手頃で且つ老舗旅館という「渡月荘金龍」に決めたのであった。

旅館に入る
  旅館「渡月橋金龍」

    駕籠のある玄関

    旅籠雰囲気のロビー

丁度温泉街の中心にある明治の創業という老舗の旅館の一つであるが、そのことを十分に感じさせて くれる木造建築であった。旅館の入り口の前にある駐車場に車を停めて門をくぐると玄関まで石畳が 敷かれ和風旅館の雰囲気を醸し出していた。玄関を入ると直ぐに大正時代を思い出させるような ロビーに案内され、茶を振る舞われた。

     部屋でくつろぐ

    部屋から見た庭

茶を飲み終わると部屋に案内されたのであるが、 途中の廊下は木造建築らしく板張りで掃除が行き届いているのか黒く光っているようであった。 仲居さんの説明では地区100年を越えると云うことだがさもありなんという感じである。 やや急な階段を3階まで上がり廊下を幾つか曲がって奥の方の部屋に案内された。窓を開けると 周りを建物で囲まれた中に日本風の庭園が造られていて、日本の旅館に泊まったという感じである。

湯巡り後の旅館
  旅館の部屋に 帰り一休みをして、風呂にはいることにする。

    露天風呂でくつろぐ

     露天風呂の全景

 浴場はフロントの直ぐ傍に造られていて、勿論木造である。丁度この時間は一階の露天風呂のある 大浴場は男性用となっていて、女性用は地下の内湯のみの浴場である。1階の大浴場の入り口ののれん をくぐるり中にはいると、休憩室があった。そこには座卓や火鉢が置いてあり、何というか昔の湯屋に 入ったという雰囲気を醸していた。先ずは露天風呂にはいる。夜中に男女の風呂が入れ替わると云う ことで1つしかない露天風呂は朝入ることが出来ないのでゆっくりと味わうことにする。ほぼ楕円形の 形をした浴槽で全体的には岩造りである。湯船の底はかなり深くて、そこに滝状になっている湯口 からかなりの量の湯が流れ落ちていて、湯量が豊富なのだなと云う事を感じさせてくれる。露天風呂 の上には屋根というものはなくほんの少し庇が出ているだけで、結構開放感がある感じであるのだが、 川向こうの旅館のため垣根が造られていていて、展望が十分でないのが残念である。直ぐ横の桂川の 流れは、垣根の隙間から垣間見ることはでき、湯船にしずむとその川の流れが聞こえてくる。湯は 無色透明で、匂いも味もない無味無臭である。アルカリ性単純泉ということだが、肌に柔らかな 女性好みの湯と云うことが出来るであろう。奥の方が1〜2人入ることが出来る小さな洞窟風呂 になっていて、その入り口に上から滝状に湯が注がれている。中に入ったのだが46〜7度は有る のではないかと思われるくらいとても熱い湯で長く入っていることが出来ない状態であった。露天風呂 の川側の一番奥に直径1m強

    大浴場の化粧室

の木造りの丸居桶風の湯船が置いてあり、細い管から湯が注がれていた。「幸せの湯」と名付けられて いるようで、この湯の温度も少し温い感じであることから湯船に浸かりながら十分に幸せを祈ること が出来るであろう。幸いにも一人であったので、出たり入ったり、ゆっくりと湯に浸かることが出来 十分に露天風呂を満喫することが出来た。

  大浴場は 少し段差がついた「ひょうたん型」のものと「円い」 ものと浴槽が2つあり、いずれも岩造りという感じのものであった。全体的には木造なのだが壁と 床はタイル状になっていて、洗い場はかなり広くとられている。昔風なので、窓が比較的小さく、 蒸気の排気も余り良くないということでガラス窓が曇っているのが残念である。

  化粧室は 老舗旅館らしく造りが古いながらもしっとりとした雰囲気 を持っており、置かれている化粧品などもちゃんとしていた。

         夕食の料理

  風呂から上がって 、暫くすると夕食が運ばれてきた。料理は老舗旅館らしく 宿泊料金が安い割には定番料理という感じではあったが、刺身も甘エビなど3品がついた板盛、焼き魚、 天麩羅、煮物、鍋物など10品程度のものが座卓の上に並べられてなかなか立派であった。味も吟味 されている感じで美味しく頂くことができた。

 夕食後 、暫くして旅館が近くなので「独鈷の湯」に入ってみよう と云うことになり、下駄を履いて出かけた。

  朝、 大浴場が変わったというので入ってみることにする。

  ロビーから眺める日本庭園

入り口の札が入れ替わって地下の大浴場が男性用となっていた。この大浴場も脱衣場の壁なども 新しいような感じで、比較的最近改修をしたのではないかと思われるのだが、全体的には岩造りの 浴槽というところである。浴室全体はかなり広く、湯舟は小さいながらも三つばかりあって、収容人員 からみても十分な広さを持っているという感じである。浴室にはかなり大きな岩が配置されていて 奥の方は滝をイメージしたものになっている。真ん中にかなり湯量の豊富な打たせ湯が1つあるのだが、 残念なのは構造は古いからなのか蒸気の排気が十分ではなくて、浴場全体に立ちこめて霞んでいると いう点である。洗い場は川のある側に造られていて、そこに座る前に外の景色がほんの少し見える ような造りになっているのだが全体的にはあまり明るいという浴場ではなかった。

  風呂から 上がって休んでいると、女房殿が風呂から上がってきた。 昨日は男性用だった露天風呂に入ったと云うことであるが、どうも向かいの旅館から覗き見されて いるらしいと云う。部屋のカーテンの隙間からカメラのレンズらしきものが見えたとか。こんな おばさん撮ってどうするんだろうねなどと良いながらも余り気分は良くないようであった。

  そうこう しているうちに朝食となり料理が運ばれてきた。 旅館の定番的のものとは一味違う料理で美味しく頂いた。

  チェックアウト をするためロビーに下り、今日最初に湯巡りをする予定 のO久旅館に電話すると良いということなのでそちらに向かうことにする。

  満足度:風呂**** 料理**** 部屋**** 接客***

   施設の概要

  所在地  田方郡修善寺町修善寺916−1     0558-72-0600
  交通 ・伊豆箱根鉄道修善寺
駅から修善寺温泉行きバス10分
     ・西湘バイパス→国道136号経由→修善寺温泉
  施設 
浴室  大浴場 露天風呂      駐車場  40台 
  泉質 
含石膏食塩泉    42度以上
  効能 リューマチ・胃腸病・神経痛など
  日帰り利用料金 1000円 日帰り営業時間  06:00〜22:00