伊東温泉   ひまわり苑   2000.2(入浴)

   旅館ひまわり苑の全景

 今日の湯巡り2軒目の「ホテルニュー岡部」を出て、再び車を運転して泊まる「水明荘」に帰ることにする。あと1軒ぐらい入ろうかどうしようかと思いながら、川沿いに走っていると、湯巡りの中に入っている「ひまわり苑」の看板が見えた。近づいてみると、かなり立派な旅館である。明治の政治家「若槻礼次郎」の別荘だったとかで、門構えもかなり重厚な雰囲気を持っていた。「要連絡」となっていたので、とりあえず旅館に帰って電話してみようと、水明荘の駐車場に車を停める。玄関に入り、フロントに人が居たので「ひまわり苑はなかなか立派な旅館ですね。」などと話をする。「湯巡りをされるのでしたら電話をしますよ。」と云ってくれたのでお願いするとOKだという。では、と今度は近くなので歩いて出かけることにする。

 「ひまわり苑」は本格的な和風旅館の雰囲気を持っていた。広大な敷地の中に本館と離れを合わせて10室しかないというこぢんまりとした旅館だが門構えから玄関となかなかに立派な構えをしていた。玄関をはいり、「湯巡りをお願いします。」というと「どうぞ」と云って「女性用は館内で男性用は前の離れ屋です。」と案内してくれた。

   離れという感じの湯屋

   こざっぱりとした化粧台

女性用の浴場は本館の中にあるというので、多分こちらの方に露天風呂があるのであろうと少しばかり残念な思いに浸りながら女房殿と分かれる。男性用湯殿は玄関から一度出て、30m位歩いたところにある離れ風の建物であった。「椿の湯」と名付けられているようだが、1m位の広さの入り口の柱に「湯処」という小さな看板が掛けられていて、

   かなり豪華な感じの大浴場

   女性用だった露天風呂

その奥に大きな字で「ゆ」と書かれたのれん風のものがさげられている。中にはいると「今日深夜2時までは男性用です。」という張り紙がしてあったので朝交代するのであろう。脱衣場は広くはないが高級旅館らしくきちんとしていた。浴室は小さな旅館にしては十分すぎるくらい広いもので、2方がガラス窓になっていて、明るい感じである。窓の外はなかなか風情のある枯山水風庭園になっていた。幾つかの岩の間に白い玉砂利が敷き詰められている様は京都の寺院のそれを思い出させてくれる。浴槽はほぼ2m四方位のものが2つあり、1方はジェット風呂になっている。湯船に浸かってゆっくりと湯の感触を楽しむ。湯の温度は丁度良い。庭の一角から出ているという源泉をそのまま使っているのであろうか、柔らかい感じの良く暖まる泉質のようであった。無色透明、舐めてみると塩味がする。食塩泉なのであろう。湯に浸かりながら辺りを見渡す。

   休憩室の凝った籐椅子

浴室は全体的に焦げ茶色を基本的な色にしているのであろうか、壁や洗い場そして湯船など、下から1m位までは同じ色の御影石風のもので統一されていた。それから上は淡い黄色のタイル張りという感じである。排気が十分でないためか天井から壁まで水滴が垂れて、ガラスも曇り、外のなかなか風情のある枯山水風庭園の景色が見えづらくなっているのは、全体的な雰囲気が良いだけに残念である。枯山水の庭の一角に露天風呂を造ればよいのになどと勝手な事を考えながら、ゆっくりと内湯に浸かった。

 風呂から上がり本館のロビーで暫く待ったが女房殿はなかなか出てきそうになかったので、先に帰ったと云うことをフロント係の人に頼んで、水明荘に帰ることにした。風呂上がりのそぞろ歩きは気分の良いものであるが、川沿いの道をゆっくりと旅館に向けて歩いた。

   

満足度:風呂*** 料理 部屋 接客

  施設の概要

  所在地 伊東市湯田町6−30   0557-36-8021
  交通 ・JR
東海道線伊東駅からタクシー5分
     ・西湘バイパス→国道135号経由→伊東温泉
  施設 
浴室 大浴場 露天風呂(交代)     駐車場 10台 
  泉質 
カルシウム−ナトリウム塩化物泉    度
  効能 リューマチ・神経痛・疲労回復など
  日帰り利用料金  不可