熱海の「金城館」は ３年程前に露天風呂開設記念ということで１万円で泊まった ことがあった。
　その時値段の割にはなかなか良かったのでまた機会が有れば泊まってみたいと思っていた。 　今回ＪＴＢの「湯けむりの宿」というパンフレットのなかにスペシャルデーに１万円少しで本館に泊まる 事が出来るという。 　この旅館には南館、本館、五葉館と３つのグレードが有り本館は通常１．８万円位する。丁度良い日が あったので申し込む。
　玄関前に車を停めると係の人が来て番号札を渡してくれそのまま中に入った。玄関を入ると空間が開け 日本庭園が見えるという結構豪華な雰囲気を持っているロビーである。
　チェックインを済ませて案内されたのは本館８階の８０９号室である。この旅館は９階建てなのだが 最上階はレストランなので客室としては最上階である。８０９号室は山側の部屋で海の景色を見ることが 出来なかったのは残念なのだがこれはやはりスペシャルデーで値段が安いからなのであろう。

部屋

露天風呂

　 　 　部屋の広さは １２畳の和室と窓側に並ぶように椅子と机が置いてある ４畳弱の洋間が有り、全体的にゆったりとした感じである。
　窓を開けると熱海の山側の景色が広がった。海が見えないのは残念だが「山の温泉街はこんな景色が 普通なんだよね。」などと冗談を云いながら仲居さんが入れてくれたお茶を飲んだ。
　浴衣に着替えて早速風呂にはいることにする。エレベーターで１階まで下りると長い廊下が風呂の棟まで 続いている。日本庭園を廊下の窓越しに見ながら行くとマッサージ室が入り口になっている風呂棟に着く。
　向かって右側に手前から男性用女性用の風呂が有り、左側スロットルなどのは遊技場になっていた。 　風呂の暖簾をくぐって中に入り脱衣場で浴衣を脱いで戸を開けると中はかなり広い大浴場になっている。 排気が良いのか浴室内に蒸気がこもっていないのは気分がよい。
　先ずは露天風呂ということで開いている戸から外に出ると以前入った記憶のある岩造りの小さな露天風呂 があった。
　大浴場の前にあった庭を露天風呂に造り替えたということでどうしても狭苦しいという感じは否めない。

大浴場

夕餉の料理

　浴槽は少し深い感じで普通に座って首まで湯が来る。熱海温泉に共通なのだがやはり舐めてみるとかなり 塩辛い。周りを竹垣で囲まれているので狭苦しい感じがしないでもないが大浴場よりもやはり気が休まる。
　ゆっくり湯浴みを楽しんで部屋に帰りビールを飲む。６時半に夕食なので６時頃２回目の風呂に入り、 上がってくると部屋には既に夕食の支度がしてあった。
　料理は全体的には通常の会席料理という感じだが「先付け」などは季節の野菜や魚を丁寧に料理し たものが７品ほど載っているなどなかなかのものである。その他「お造り」のカンパチや鯛はコリコリ として新鮮であったし、鯛頭の「煮物」の味付けも良かった。また後から出た「ボルシチ」風の料理も ここの旅館の名物料理かもしれないがコクがあり美味しく頂いた。
　朝の食事はレストランでバイキングということなので９階の展望レストランに行く。 　朝ドラが終わってからの時間であったが、団体客は既に居なくなっていたのでゆっくりと頂くことが 出来た。料理の種類も多く品切れという感じのものもなく、味付けもなかなか良かった。
　このレストランからは海の景色が見えるので女房殿は「やはり海の景色は良いね。」と宣っていたが、 今度泊まる時は安い料金でも海の見える部屋に入れる事を祈ることとしよう。