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八ッ場ダム問題に関するパネル討論会(仮称)に関する
公開質問状と回答結果


 当会では、八ッ場ダム建設計画を撤回させるために、八ッ場ダムをストップさせる会と一緒に住民訴訟を係争中です。平成20年2月29日(金)午後1時30分から第16回口頭弁論、4月25日(金)13時半から第17回口頭弁論、5月30日(金)13時半から第18回口頭弁論が行なわれています。
 一方、平成20年3月5日に群馬県議会の総務常任委員会で八ッ場ダムの集中審議が行われ、4対3の多数決で工期5年延長を含む八ッ場ダム計画変更案が可決され、同7日の本会議で採決されましたが、県議47名中14名が反対を表明しました。
 その後、3月17日の当会の例会で、参加者から、反対を表明した議員の方々の、八ッ場ダム建設計画反対の尊い決意表明のベクトルにあわせ、当会の住民訴訟も勝訴に向けて弾みをつけ、八ッ場ダム建設計画を中止に追い込むため、関係者一同の決意を発露すべく、パネル討論会(仮称)の企画提案がありました。
 そこで、八ッ場ダム反対を表明した14名の議員に対して、3月18日付けで公開質問状を発送し回答をお願いしたところ、4月1日までに、7名の県議から回答が寄せられましたのでその結果を発表します。

回答いただいた県議(敬称略、五十音順):
 ・あべともよ
 ・石川貴夫
 ・大沢幸一
 ・角倉邦良
 ・久保田務
 ・黒沢孝行
 ・茂木英子


1.パネル討論会(仮称)にパネラーとして参加をお願いした場合の、参加の意向について。
 ・あべともよ⇒わからない。日程、内容の詳細が固まりましたら検討させて頂きます。
 ・石川貴夫⇒はい。
 ・大沢幸一⇒いいえ。
 ・角倉邦良⇒はい。時間があれば参加させていただきます。
 ・久保田務⇒わからない。
 ・黒沢孝行⇒いいえ。
 ・茂木英子⇒いいえ。八ッ場ダム問題につきましては、勉強中です。

2.住民訴訟の傍聴をお願いした場合の、傍聴参加の意向について。
 ・あべともよ⇒わからない。日程、内容の詳細が固まりましたら検討させて頂きます。
 ・石川貴夫⇒わからない。日程等調整の上、検討中です。
 ・大沢幸一⇒いいえ。
 ・角倉邦良⇒はい。時間があれば参加させていただきます。
 ・久保田務⇒はい。
 ・黒沢孝行⇒いいえ。
 ・茂木英子⇒わからない。

3.八ッ場ダムの建設中止に向けたメッセージを、何でも良いのでお願いします。
 ・あべともよ⇒八ッ場ダムは総工費8500億円ともいわれる巨大な公共事業です。治水、利水、その他の面において、人口減少社会を迎えた今の時代に果たして本当に必要なものなのか、もう一度考えてみる必要があると思います。
 ・石川貴夫⇒正当性、有用性に欠ける利権の為の公共事業に地元住民、県民、国民の皆様を巻き添えにすることは断じて許されません。必ずやダム建設に代わる新たな結論を導くよう最大限に努力することは議院として当然の責務だと考えております。御理解と御指導の程、心よりお願い申し上げます。
 ・大沢幸一⇒/
 ・角倉邦良⇒ おせわになっています。公開質問状ではなく、要請書ではないでしょうか。今後とも宜しくお願いいたします。
 ・久保田務⇒ 発電所建設計画 国の進めている八ツ場ダム建設が、突然、5年間工期が先延ばしになりました。そこに住み、ダムの早期完成を望んでいる方々にとっては途方もないことです。私は、先の予算委員会で大沢知事の所感を伺いました。知事は「工期延長は大変遺憾なことであり、地元住民の生活再建に迅速に取り組むよう国に要望する」とのお考えでした。平成19年度の議案でありました、第65号議案「八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更について」が議会定例会で採択されました。カスリン台風が本県に大災害をもたらした後、この八ッ場ダムは国家的プロジェクトとして発案され50年、着工されてからでも30年近くが経ち、治水、利水の状況が大きく変わったことは、関口茂樹議員の一般質問等で明らかにされたとおりであります。国はエ期の延長や建設費用の変更を繰り返し、3年後に完成することを誰もが危ぷんでいた矢先、また5年間の工期延長であります。ここに住む人たちへの誠意を疑うばかりです。本当に今度こそ完成するのか、大きな疑問符がついています。そんなタイミングで、本県の発電所建設計画が突如浮上しました。企業局の説明によれば、国の基本計画の変更に伴って「発電所建設計画」を織り込んでもらえる、絶好のクイミングとのことでしたが、もし今回の計画変更がなければ参入できなかったものとすれば、企業局は今回の計画変更を確信していたことになります。八ッ場ダムでの発電を前々から検討していたのであれば、この30年近くの間に参入を表明する機会がなかったとは思えません。いかにもタイミングが悪いと思うのは私だけではないでしよう。ダム本体の総工事費の1パーセント、4億6千万円の負担と発電施設建設費をあわせて60億円の事業を予定し、そのための調査費3900万円を計上した平成20年度群馬県電気事業会計予算に賛成する環境は整っていない、と考えました。一般会計予算案については、大沢知事の並々ならぬご決意が伝わり、幾つかの疑問点はありますが、今はその執行を見守っていくべき時期と考えています。企業局・病院局関係はもとより特別会計については、費用対効果等、十分に精査されていない感もありますが、知事の指導力に期待しているところです。しかし八ッ場ダムは国家プロジェクトであり、国レベルの政策変更や財政状況によりその完成が左右されます。5年間の延長で総事業費が変わらない、という説明を信じている人は少ないと思います。総事業費が増えれば、本県の負担も増えます。工期がさらに延長されれば、発電所の建設も延期となります。今、本県が発電に参入するリスクは大きいといわざるを得ません。事業費も工期も先行き不透明な事業に、このタイミングで参入することより、水没予定地区の皆さんの生活再建、あるいは支援に全力を挙げることに専念すべき時期と考えます。群馬県が発電所建設に参入しようとしているのは治水や別水面で建設の必要性が揺らいでいるのを補強する恐れさえあります,
 ・黒沢孝行⇒八ッ場ダム計画変更案に対し、反対したものであり、八ッ場ダム建設そのものについては、賛否を問うているものではありません。
 ・茂木英子⇒現地を視察させていただきました。50年に渡り、今もなお将来の夢や希望を描ききれない地域・住民の苦痛は計り知ることができません。私たちは歴史に学び、50年前のダム計画が現在と将来においてどうなのか、総合的に検証する必要があると考えます。


【回答を頂いた感想】
多忙のさなか、質問状に回答を頂いた県議の皆さん、ありがとうございます。
マスコミ報道では八ッ場ダム計画変更案に「反対」した議員とありましたが、ダムの建設自体まで反対する気のない議員もいました。したがって、「反対」した議員が全員、八ッ場ダムの建設に反対というわけではないことに注目したいと思います。
なお、パネル討論会への参加意思を示した県議は2名にとどまったため、討論会の開催はあらためて計画し直します。




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