福岡市監査委員 殿
                          平成18(2006)年7月28日
福岡市職員措置請求書
(福岡市長の磯崎新氏への「福岡オリンピックの基本計画策定業務委託」費返還に関する
措置についての住民監査請求書)

    監査請求人代表
         住所
         氏名 児嶋研二    職業      印
                         (他の請求人は別紙名簿記載の通り)

福岡市長に関する措置請求の要旨
 福岡市が行った潟_ムダン空間工作所との「福岡オリンピックの基本計画策定業務委託契約」(以下、「本件契約」という)に基づく費用の支出は、随意契約にすることができる場合を定めた地方自治法234条2項、同法施行令167条の2の規定に違反して締結された違法な契約に基づく違法な支出であり、また、相手方の選択、決定についての過程が全く明らかにされず、相手方の選択および設計価格の決定について裁量権を濫用、逸脱して締結された契約に基づく違法な支出である。
  1. 本件契約は、内容を十分に市民に公開して検討された上で、コンペを行うなどして競争入札等を行うべきものにもかかわらず、随意契約にすることができる場合を定めた地方自治法234条2項、同法施行令167条の2の規定に違反して締結された違法な契約に基づく違法な支出である。

  2. 「福岡オリンピックの基本計画策定業務」は、福岡市の将来に関わる重要な政策に関する業務であり、どのような理由で磯崎氏を福岡オリンピックの基本計画策定の総指揮者とすることを決定したのかという過程を十分市民に明らかにしたうえで契約すべきである。
     「磯崎氏に総指揮者と決定するに至る協議内容がわかる文書」を情報公開すると、福岡市の公文書としては、1月12日付のオリンピック招致準備事務局の「NEWS RELEASE」によって、「(磯崎氏に)このたびご承諾をいただきましたので、お知らせします。」という告知しか存在していない。福岡市民には、1月11日の新聞報道で突然知らされている。
    「なぜ磯崎氏なのか」「どのような五輪を招致するのか」という重要な内容については、福岡市の担当者は「磯崎氏を総指揮者とすることを決定したのは、招致検討委員会という民間機関の議論、決定であり、福岡市に文書は存在しない」という説明をおこない、市民に対して説明責任を果たさず、理由を全く明らかにしないままに磯崎氏を総指揮者と決定し本件契約を締結している。
    添付資料@ 平成18年7月20日付、福岡市公文書一部公開決定通知書

  3. 本来このような都市計画に関する重要な計画について提案するためには慎重なマーケティング調査に基づいて行うべきものである。ところが、福岡市民が参加して2年がかりで策定した「福岡市新・基本計画」などを無視して、須崎ふ頭再開発によるオリンピック計画を提案した。須崎ふ頭の地権者への事前の調査、説明などを全く行うこともなく、須崎ふ頭再開発による福岡オリンピック招致計画を作成したため、地権者からも大きな反発が起きている。
    添付資料A 2006年5月14日 西日本新聞記事

 「福岡オリンピックの基本計画策定」は、十分な市民の意識調査や地権者の状況などを調査した上で策定すべきものであり、昨年12月に福岡市から既に公表されていた須崎ふ頭再開発を、抽象的観念的な言葉で脚色しただけのものにすぎない。須崎ふ頭再開発事業化の可能性についての検討は、基本計画が公表されてから須崎ふ頭再開発事業化検討委員会が行っている。また、具体的な競技施設の調査や、プレゼンテーション用のコンピューターグラフィックの作成などは、福岡市は、すべて他の調査会社、印刷会社等と契約しており、潟_ムダン空間工作所が行ったのは、抽象的な「基本コンセプト」「施設計画基本構想」「戦略ポイントの基本計画」と「監修」のみである。福岡市の作成した「福岡オリンピックの基本計画策定業務委託契約」の設計書による4月20日から5月31日までにのべ670人日、1日当り24、8人が働いたという杜撰な人件費計算であり、このような杜撰な設計書計算は、設計価格の決定について裁量権を濫用、逸脱したものであり、最終的に総額5千万円にのぼる支出は違法不当である。
 このような杜撰な基本計画の結果として、福岡市が平成18年5月に実施した「福岡・九州オリンピック・パラリンピック招致に関するアンケート調査」の結果は、「大会コンセプトについてどのように感じましたか?」という問に対して「大変共感できる」13,6%と「まあ共感できる」38,6%をあわせても、ようやく半分の52,2%、「全く共感できない」19%と「あまり共感できない」25,5%をあわせて44,5%という市民の半数しか共感が得られていない。また、「競技会場配置計画についてどのように感じましたか?」という問に対して、「大変共感できる」12,5%と「まあ共感できる」34,6%をあわせて47,1%、「全く共感できない」19,1%と「あまり共感できない」27,3%をあわせて46,4%というコンセプトより少ない共感しか得られていない。いずれも、「全く共感できない」が、「大変共感できる」を大きく上回っている。                     
添付資料B

また、KBC九州朝日放送が、06年6月に500名の市民にアンケートした結果は、
  • 五輪招致賛成、どちらかといえば賛成・・・32%、
  • 五輪招致反対、どちらかといえば反対 ・・・66%、
  • わからない ・・・2%
五輪招致について市民への説明が十分なされているかという問いに対して、
  •  思う      ・・・9,6%
  •  思わない   ・・・89%
  •  わからない  ・・・1,4%
という結果となっている。また、他のアンケート調査結果をみても、3分の2が反対する結果となっている。
また、須崎ふ頭再開発への賛否について、西日本新聞の調査では、68%が反対という結果となっている。             添付資料C

 以上のように十分な市場調査も行わず、市民の賛同を得られないような杜撰なオリンピック基本計画を提案して福岡市民を混乱させる結果となっている。
  1. このような本件契約に基づく費用の支出は、随意契約にすることができる場合を定めた地方自治法234条2項、同法施行令167条の2の規定する要件に該当せず、本件特命随意契約の相手方の選択、決定についての過程が全く明らかにされず、相手方の選択および設計価格の決定について裁量権を濫用し逸脱した違法なものである。
    よって、監査委員は、福岡市長に対して、公金支出の決裁権者、公金支出手続を行った担当職員らに、7月20日までに支出した4218万円について損害賠償を求めるなど、の損害を補填するための措置を講じるよう勧告することを求めるものである。 地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求する。

    添付資料
    @平成18年7月20日付、福岡市公文書一部公開決定通知書、開示文書
    A2006年5月14日 西日本新聞 記事
    B2006年6月6日 西日本新聞 記事
    C2006年6月20日 西日本新聞 記事
    D平成18年7月20日付「福岡オリンピックの基本計画策定業務委託」に関する
    契約書、その他文書

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