The Thousand and One Nights of Technology History


ハーグリーブスのジェニー紡績機
Spinnig Jenny of Hargreaves


James Hargreaves(1720頃-1778)は、ランカシャー州ブラックバーンの織布工。
1764年頃から、紡績機械・ジェニーを開発。この名は娘の名に因むといわれている。このジェニーは、ジャージー紡車の系譜を受け継ぐ機械である。かれは、1768年、打ちこわしに遭い、ブラックバーンを去り、ノッチンガムに移住。ここでは、靴下用の糸の需要が高く、この製造にジェニーを利用。1770年に特許を取得。ジェニーはほとんどが木製の機械。

ホイールを回すと、スピンドルが回転。スピンドルと糸押さえとの間で撚りがかかる。少し緩め糸をフォーラーによって押し下げ(ペダルを足で操作)、スピンドルを回転させると、糸はスピンドルに絡め取られる。このとき同時に、糸押さえのあるキャリッジの部分を、前方にスライドさせる。
次に糸押さえを開放し、後方にキャリッジを戻す。下部の粗糸が引き伸ばされることになる。ただこのとき、スピンドルを微妙に回転させながら、撚りをかけないと粗糸は切れてしまう。この工程が特に熟練を要する。これで最初に戻り、十分撚りをかける。
この図は、ハーグリーブスの特許明細に基づいて再現されたもので、スピンドルの本数は16本。
生産をあげるためには、一つはスピンドル数を増すことである。120本という記録もあるが、実際は数十本であったようだ。機械の摩擦や引き伸ばし工程の抵抗が障壁になる。
もう一つはストロークの長さを増すことだが、これは手の長さによる制限がある。そこで、ホイールのハンドルにクランク棒を連結した工夫があった。クランク棒を握ることにより、遠方でも操作可能としたのである。ただこのような方法で動かす場合は、ホイールがハズミ車として機能していないと回転は滑らかにならないだろう。


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