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第86回キノ・バラージュ/11月18日(日曜日)

●テーマ: 『マティアス・ミュラー−心傷と痛み−』

Matthias Mueller ; "WOUNDS & PAIN"

■今回は、近年評価の高いドイツの映像作家、マティアス・ミュラーを取り上げる。

ファウンド・フッテージによって、独特の説話世界−象徴と並行のモンタージュ−の

構築を果たし、かつての70年代的なフォーマルな実験映画とは異なる、新たな叙述

スタイルを確立し、その後の80−90年代の実験映画に大きな影響を与えた。彼の

ユニークさは、セクシャリティやジェンダーといったプライヴェートな内面世界と、

文化的・歴史的存在としての(つまりパブリックな)「映画」世界という相対する視

座を並存させている点にあろう。そうした彼の姿勢を、彼の発言からその創作の背景

について考察してみたい。

■マティアス・ミュラー(MATTHIAS MUELLER):1961年ドイツ・ビーレフェルト生ま

れ。ビーレフェルト大学で芸術と文学を専攻。1987年からブラウンシュヴァイク造形

芸術大学で、ファイン・アートと映像を学ぶ。1980年から映像作品を制作。1985年、

フィルム・コーポラティヴ『Alte Kinder(アルテ・キンダー)』の設立に参加、ア

ヴァン・ギャルド・フィルムの上映活動やツアー・プログラムのキュレーションを行

う。また、ニューヨーク近代美術館で回顧展(94)が行われるなど、その作家性も注目

されている。国内では91年に『ホーム・ストーリー』(90)が紹介されたのを皮切り

に、散発的ではあるが、多くの作品が紹介されている。今年に入ってからも、

『霧』("Nebel",00)、『空虚』("Vacancy",98)、『フェニックス・テープ』("the

Phoenix Tapes",99:クリストフ・ジラルデとのコラボレーション)が次々と紹介され

た。(末岡一郎)

●参考上映予定:

ホーム・ストーリー [Home Stories], 1990, 6mins

眠る波止場 [Sleepy Haven], 1993, 15mins

星のシャワー [Sternenschauer], 1994, 2mins

アルプスの湖 [Alpsee], 1994, 15mins 

●担  当:末岡一郎(映像作家)

●日  時:11月18日(日曜日)、PM6:30〜

●会  場:中野区・桃園地域センター 2F

      中野区中央4−57−1   tel : 03−3382−5151

(JR中野駅南口下車 中野総合病院裏・徒歩5分)

●参加費:¥500−

●問合わせ: wuemme@hotmail.com (末岡) 

 

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