■□■□ KINO BALAZS information □■□■
次回のキノ・バラージュのお知らせです。
*これからのキノ・バラージュは場所と曜日が変更となりますが、
今後も宜しくお願い申し上げます。
第77回キノ・バラージュ/2月18日(月曜日)
●テーマ: 『 モンタージュ再考/プドフキン 』
プドフキンは、エイゼンシュテイン、ジガ・ヴェルトフと並んでロシア・アヴァン
ギャルドを代表する映画監督である。1920年代から30年代にかけてのロシア映画は、
アメリカ映画の影響を受けながらモンタージュの方法論を発展させたが、そうしたな
かでプドフキンは、エイゼンシュテインともヴェルトフとも異なるモンタージュの美
学を確立した。ゴーリキーの小説を映画化した「母」(1926)は、「戦艦ポチョムキ
ン」(エイゼンシュテイン)、「大地」(ドヴジェンコ)とともにロシア・サイレン
ト映画の三大名作のひとつに数えられる。
当時の映画監督の多くがそうであったように、プドフキンもまた理論家であった。
彼は、「映画監督論」「映画俳優論」といった著作の中で、独自のモンタージュ理論
を展開している。またプドフキンは、モンタージュの問題をめぐってしばしばエイゼ
ンシュテインと論争を行ったことでも有名である。エイゼンシュテインがショットと
ショットの衝突を重視したのに対し、プドフキンはショットを積み重ねることの重要
性を説いた。プドフキンのモンタージュは、俳優の演技を中心にショットを組み立て
るものであり、そこで行われる映像の対位法は作品のドラマ性に密着していた。
プドフキンは、その後の劇映画に多大な影響を及ぼしたが、今日あまり顧みられる
ことがなくなっている。今回のキノ・バラージュでは、プドフキンの美学的な側面に
注目することによって、あらためてモンタージュのもつ意味について考えてみたい。
(西村智弘)
●参考上映予定:
プドフキン 「母」(1926)
●担 当:西村智弘(現代美術・映像批評)
●日 時:2月18日(日曜日)、PM6:30〜
●会 場:中野区・桃園地域センター 2F
中野区中央4−57−1 tel:03−3382−5151
(JR中野駅南口下車 中野総合病院裏・徒歩5分)
●参加費:¥500−
●問合わせ: wuemme@f7.dion.ne.jp
or03−3338−9404(末岡)