■□@■.□ KINO BALAZS information □■@□.■
次回のキノ・バラージュのお知らせです。
第79回キノ・バラージュ/4月8日(日曜日)
●テーマ: 『 モンタージュ再考・3/ヴェルトフ 』
「わたしは映画の眼。ひとりの人間から、もっとも強いもっとも軽やかな手を撮
り、他方、もっとも美しくもっとも速い足を撮り、三番目に、もっとも美しくもっと
も表情豊かな顔を撮る。モンタージュによって新しい人間、ひとりの完全な人間を生
みだす。/わたしは−映画の眼。/わたしは−機械の眼。/わたしは機械、わたしは
わたしだけの見る世界を君に示す。」(ジガ・ヴェルトフ「キノキ革命」)
ヴェルトフは、ロシア・アヴァンギャルドを代表する映画作家のひとりである。彼
は映画に関する多くの文章を残しているが、ときとして詩のように語られる彼の映画
理論はきわめて独創的であり、かつ過激なものだった。前衛的な探求によって制作さ
れた彼の作品は、エイゼンシュテインやプドフキンといった当時のモンタージュ派の
劇映画とまったく異なる地平にある。
ヴェルトフは、機械であるカメラがとらえた客観性を絶対視した。彼は、カメラと
いう眼(これを「映画眼」[キノ・キ]という)によってこそ、肉眼ではとらえること
ができない真実(これを「映画真実」[キノ・プラウダ]という)を認識できると考え
た。そして物語的、演出的な要素を完全に拒絶して、現実の世界を生の状態で記録し
ようとした。この点において彼は、ドキュメンタリー映画の先駆者となった。彼の理
論や作品は、シネマ・ヴェリテ派の記録映画やゴダールの率いる「ジガ・ヴェルトフ
集団」に影響を与えたことでも知られている。
今回のキノ・バラージュでは、モンタージュ派の極北とでもいうべきヴェルトフの
映画美学に焦点を当て、実験精神にあふれる彼の作品について考えてみたい。(西村
智弘)
●参考上映予定:
ジガ・ヴェルトフ 「カメラをもった男」(1929)、「レーニンの三つの歌」(1934)
●担 当:西村智弘(現代美術・映像批評)
●日 時:4月8日(日曜日)、PM6:30〜
●会 場:中野区・桃園地域センター 2F
中野区中央4−57−1 tel:03−3382−5151
(JR中野駅南口下車 中野総合病院裏・徒歩5分)
●参加費:¥500−
●問合わせ: wuemme@f7.dion.ne.jp
or03−3338−9404(末岡)