(長野県出身) 私が初めて沖縄を訪れたのは4年程前でした。アメリカで沖縄出身の妻と知り合い、 結婚後は長野県で暮らしていましたが、その間も毎年沖縄へ帰省していました。 数度の訪問で、その日本文化とは異なる琉球文化にすっかり魅せられてしまい、 できればいつかは沖縄で暮らしたいという漠然とした思いがわいてきたのです。 しかしながら一方で沖縄においても急速に乱開発が進んでいるという現状に直面し、 このままでは色濃く残る土着の文化さえも、本土と同じように消え去っていくのでは ないかという不安や苛立ちが沸き起っていました。 そんな中、半年前のことですが、沖縄行きを決定づけるできごとが起こったのです。 それは本土の会社が製作した、ある沖縄生粋の文化を紹介した一本のビデオを偶然 見たことに始まったのです。そのビデオには明確な趣旨がありました。それは、 沖縄から本土へ、そして本土から世界へ普及し、現在では知らない者はいないという 文化がほぼ全面的に形骸化してしまい、沖縄に存在するものでさえも本来のものとは ほど遠いものになりつつあり、我々はその本物を絶やすことなく、正しく後生に伝えて いかなければならないというものでした。 現代日本において、本来の文化がほぼ廃れてしまっていることは周知の事実です。 単純なようですが、私はそのビデオに大変な感銘を受けました。貴重な本物の沖縄文化を 私が習得することにより、少しでも貢献できたらと考え沖縄行きを決意したのです。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ さて、実際の沖縄生活体験ですが、唯一の難点はやはり仕事(会社)です。 これについては沖縄出身の妻からよくよく聞かされてはいたのですが苦労しています・・・ 問題点はだいたい次の通りです。 @求人の数が非常に少ないうえに、一般的に良いだろうと思うような仕事がなかなかない。 A労働時間が長い。 B給料が少ない。 Cサービス残業を奨励しており、残業をしないとやる気がないと思われる。 D仕事自体の効率が非常に悪い。 E会社内の命令系統が不明確で誰に従って良いのかわからない。 つまり、沖縄の会社のシステム自体が旧式で本土に比べて立ち遅れているため、 すべてが空回りしている状態です。私が勤務している会社も沖縄においては大手に 属するのですが、意味のない長時間労働を強いられているうえに、低賃金で正に 貧乏暇無しとはこのことです。何か、沖縄へ来て初めて、大げさかもしれませんが 生きていく苦しみのようなものを実感しています。 私見ばかりではなく、これらのことは、私の周りの人の意見を聞いても大方そのような 答えが返ってきました。 ただ、沖縄の人は大らかで、このような苦しみさえも楽しまなければいけないと、 笑ってアドバイスしてくれます。 さて、沖縄は失業率が高いということは周知の事実ですが、それはなぜなのかと私の 周りの何人かに質問をしたのですが 「確かに求人の絶対量は少ないが、それにも増して 離職率が高いのではないか」 という意見が多かったのです。どうも上記のような理由から、会社側とトラブルになる ケースが多いらしいのです。 沖縄で生活する上で、この唯一の問題を解決するためには以下のような方法があると 思います。 @沖縄にある本土の会社へ就職する。 A公務員になる。 B自分で事業を起こす。 C沖縄へ来た明確な目的があるのなら、多くを望まず、そのこと以外は大いに妥協する。 とにかく、仕事や会社のことさえクリアしてしまえば、沖縄ほど住み良い場所はないと 思います。人々は裏表がなく優しいし、気候も良く、家賃も部屋の広さに比べとても安い。 そして何より、まだまだ色濃く残る沖縄文化は魅力的です。 「ある沖縄文化を正しく後世に伝える」という私の目的を一日も早く成し遂げるために、 私自身、まず時間を作るために仕事の問題を解決しなければなりません。 昨今は大変な沖縄ブームで多くのナイチャーが沖縄入りしているようですが、青い空や海を 楽しむばかりではなく、沖縄が今後直面するであろう文化崩壊(本土化)や、米軍基地問題に ついて、我々も人事ではなく真剣に解決の方法を見出さなくてはならないと感じています。 |