ピエゾグラフとの出会い   ピエゾグラフは(piezo graph)epsonの登録商標です。

 
 

 93年の春頃だったと思うが、初めてAppleのマッキントシュというパソコンを秋葉原で買って来た。同時にプリンターやデジタルカメラなども購入した。photoshop.Illustrator.Painterなどのソフトと共にマニュアル本も買って来て、パソコンと云う時代の最先端技術を使って絵を描いて見ようと勇んで取り組んだが、カタカナ表記の専門用語が多くて理解できず、推測だけで操作してはパソコンを頻繁にフリーズさせ、幾度も断念しようと思ったが、パソコンの魅力がそれを私にさせなかった。

 失敗を繰り返しながらも諦めずに漸くマスターした頃には、ハード、ソフトが更に高度に進化し、新バージョンとして発売され、質の高い絵を描くためにはそれをまたマスターしなければならないと云う鼬ごっこであり、デジタル貧乏の始まりでもあった。。

 デジタルカメラで撮った風景をパソコンに取り込み、自分の感性で絵画化する。それを顔料インクを吹き出すジェットプリンターでプリントをする。同じ絵がボタンを押すごとに版画のように出てくるデジタル絵画の新しさに夢中になった。

 版画には木版、孔版、銅版、リトグラフ、シルクスクリーンなどその手法は沢山あるが、これ等は全てその時代の印刷手法であり、今はデジタル印刷なのでデジタル版画と云っても好いのではないだろうかと思った。そこで親しい画商さんにデジタル版画と銘打って個展を開こうと思うがどうかと相談したら、それはpiezo graphというのではないかと教えて頂いた。早速、EPSONさんにピエゾグラフの使用許可を頂き、2003年に東京駅の中の「八重洲ギャラリー東京」でピエゾグラフでの初めての個展を開いた。

 開催中にヤンマーディゼルの会長さんで山岡さんという方がおいでになり「これは写真でもないし、絵でも版画でもないがなんと言う物ですか」と質問を頂いた。上に書いたような事をお答え申し上げたところ、「絵画の歴史が始まって以来今日迄、絵は筆に絵の具を付けて描いてきましたが、岡崎さんが初めて筆も使わず絵の具も使わずに絵を描きましたね」と云って頂いた。以来私はこの言葉が好きで使わせていただいている。

 下の方に掲載させて頂いたのがそのpiezo graphです。御覧頂いた皆さんにどのように映ったのでしょうか。

 

1993年〜