コスモスポーツ | 1967−1972 | ||
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‘58年に、ドイツのフェリックス・ヴァンケル氏が完成させたヴァンケル式ロータリーエンジン。コンパクトかつスムーズに高回転域まで回る、画期的なエンジンとして注目を集めた。マツダは、‘61年にヴァンケル研究所、NSU社と技術提携し、実用化への努力を2年ほど費やした後、‘63年の東京モーターショーにエンジンのみで展示する。この発表からさらに3年、‘66年のショーで最終プロトタイプが展示され、その翌年にようやくコスモスポーツがデビューする。ロータリーエンジン車としてはNSUスパイダーに次ぐクルマであり、当時いかにこの技術が困難なものだったかを物語る。国産車初のロータリーエンジン搭載車ということで、既存の車種に搭載するのではなく、真新しいスポーツクーペとしてデビュー。そのボディは社内のデザインでネーミングどおりに宇宙=コスモを連想させるのびやかで未来的なものだ。性能面も目覚しいもので最高速185km/h、0〜400m加速16.3秒という実力をもつ。車体もこの高性能に見合ったもので、モノコックボディに採用された足回りはフロントがダブルウィッシュボーンによる独立、リアがド・ディオンアクスルに半楕円リーフという、当時のスポーツカーの定石。ブレーキもフロントには標準でディスクが奢られ、後期型では155HR−15のラジアルタイヤが標準装着され、走行上の装備を充実させた。モデルは、‘68年7月にマイナーチェンジを受ける。これはより本格的なスポーツカーを目指した改良で、冷却性能向上のためフロントグリルを大型化、エンジンも18psアップの128psの最高出力を発揮。また、4段だったギアボックスを5段のフルシンクロへ変更し、フロントブレーキにもサーボが付くようになる。こうして熟成を重ねたコスモは、後のマツダのスポーツカーが歩む方向性を明確なものとし、ロータリーエンジンのもつスポーツ性を認知させるにいたる重要な役割を担ったのである。 |
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車両データ | |||
全長 | 全幅 | 全高 | ホイルベース |
4140mm | 1595mm | 1165mm | 2200mm |
車両重量 | 乗車定員 | エンジン | 内径×行程 |
940kg | 2名 | 2ロータリー | --mm×--mm |
総排気量 | 圧縮比 | 最高出力 | 最大トルク |
491cc×2 | 9.4 | 110ps/7000rpm | 13.3kg-m/3500rpm |
タイヤサイズ前後 | 発売当時価格 | ||
6.45H-14-4P | 148万円 |