トヨタ2000GT | 1967−1970 | ||
![]() |
|||
まだ日本に本格的なモータリぜーションが芽生えているとはいえなかった’65年。この年の東京モーターショーに参考出展で何台かの国産スポーツカーが展示された。そのなかでも、市販前提とされたトヨタのクルマに来場者は固唾をのんで見入ったという。そのクルマこそ、トヨタ2000GTである。しかし、このクルマに付けられたプライスタッグは、実に238万円であった。当時は、クラウンのスーパーデラックスが112万円で買えた時代だ。2人しか乗れないスポーツカーにこの値段を払える人が希であったことは想像に難くない。3年と3か月の間に、わずか234台が生産されたに過ぎないトヨタ2000GT。その少数さと流れるようなボディライン、238万円という価格などが、ドリームカーという表現さえ生み出した。このドリームカーの開発にはヤマハが携わったことは有名だ。ヤマハは既存のエンジンにDOHCヘッドを載せて高出力化を果たし、堅牢なバックボーンフレームに軽量で低いボディを加装するという、当時多くの国産スポーツカーの模範となったロータスに範をとっている。それでも、2000GTの性能は目を見張るもので、卓越した高速性能以外にも今となっては小柄なボディを生かしてワインディングでも鋭い走りをみせるこのことが証明するようにただ高性能なだけでなく、誰もが乗りやすく故障や不安材料が少ない、現代にも通じるトヨタ車の理想的な姿を具現化したのである。まさに、日本車の夢を乗せて世界へ飛翔した、夢のスポーツカーだったのである。 |
|||
車両データ | |||
全長 | 全幅 | 全高 | ホイルベース |
4175mm | 1600mm | 1170mm | 2330mm |
最小回転半径 | 車両重量 | エンジン | 内径×行程 |
5m | 1145kg | 直列6気筒DOHC | 75mm×75mm |
総排気量 | 圧縮比 | 最高出力 | 最大トルク |
1988cc | 8.4 | 150ps/6600rpm | 18kg-m/5000rpm |
タイヤサイズ前後 | 発売当時価格 | ||
165HR15 | 238.55万円 |