べレット1600GT 1964−1971

 日本で初めてGTの名を冠したクルマ、それがベレットGTだ。前年のモーターショーで1500GTという名のプロトタイプとして姿を現し、翌年にスタイルはほぼそのままのカタチでデビューした。ただし、エンジンは1579ccにアップされ、ツインキャブの装着と9.3という高圧縮比で88psを発生する。最高速度は160km/hと発表されていた。また、当初から過敏に反応するラック&ピニオンのステアリングフィールなどから、一般には必ずしも高い評価を受けなかったものの、卓越した足回りとこのハンドリングをいかに操るか、といった点で走り好きのマニアからは熱狂的な支持を獲得した。”ベレG党”か”スカG党”とかいった言葉のやりとりからも、いかにスポーツマインドに訴えかけるクルマであったかがよくわかるところだ。さらに‘66年には排気量を1584ccとし、90psへと性能をアップ。同年にはGTのバリエーションモデルとして1600GTファストバックも仲間に加えるなど、その後も年を追って性能に磨きがかけられた。しかし、何といっても極めつけは‘69年に誕生したGT-Rだろう。1548ccのツインカムヘッドのエンジンは、120psを発生して最高速度190km/hを記録。足回りではサーボ付き前輪ディスクブレーキやデフロック、急制動時の後輪ロックを防止するPCVを装備。

車両データ
全長 全幅 全高 ホイルベース
4005mm 1495mm 1350mm 2350mm
車両重量 乗車定員 エンジン 内径×行程
940kg 4名 直列4気筒OHV 83mm×73mm
総排気量 圧縮比 最高出力 最大トルク
1579cc 9.3 88ps/5400rpm 12.5kg-m/4200rpm
タイヤサイズ前後 発売当時価格    
5.60-14-4P 97万円