◆ 手 ◆

手は
ひとを大地とした
物言わぬ
樹のようだ

沈黙と
精神を守りつつ
その暖かさで
ひとを包み
その静けさで
冷淡にもなる

手は
何もしていないようで
いつも
精一杯の活動を続ける

おそらくは
時を重ねていくほど
所有するひと以上に
多くを物語ることが
できるのだろう

手は
いつどこに生きていても
全てを知る
不思議な仙人のようだ