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若い女性を悩ます
        [げっぷ]の出やすい体質 
Q.25歳の独身OLです.私には困ったくせがあります.それは,食事の後などに決まって「げっぷ」が出るのです.体型は,どちらかというと痩せているほうで,胃の検査の時「胃下垂がある」と言われていますが,腹痛などの症状はありません.ただ,パーティーやデートなどで食事をする場合には,とても困ります.「げっぷ」を解決するよい方法があれば,教えていただきたいと存じます.
        (札幌市 東区 匿名希望)

A.人間は誰でも食事をしたりビールや発泡性の飲料水を飲んだとき,無意識のうちに空気も飲み込んでいます.この空気は胃の上の部分(胃底部)にたまりますが大量になると食道から逆流して「げっぷ」として排泄されるのです.

マナーの点は別として「げっぷ」のほとんどは医学的に無害ですが,吐き出された息に臭いのある場合には病的なものを考えます.胃酸の多い人や胃・十二指腸潰瘍などには「すっぱい臭い」がありますし,肝臓,胆管,胆嚢の病気では「苦いげっぷ」が出ます.

また,胃の出口(幽門部)が狭くなっていたり,ひどい胃アトニーのときには,胃の中の物を腸へ送り込むまでに時間がかかるため,異常に発酵して腐敗臭を伴った「げっぷ」があらわれやすいのです.

臭いのない「げっぷ」は「神経性のおくび」または「空気嚥下症」といわれ,空気を飲み込んでしまうクセによって起こる場合がほとんどです.特別な臭いのあるげっぷについては,消化器病専門医の精密検査と治療を必要としますが,この方のように生理的なものでは,胃にたまる空気を小出しにすることで解決できます.

たとえば,食事中に時々姿勢を変えたり,腹式呼吸(特に息を吐くとき)をなさると効果的です.立食のパーティーなどでは,席をはずして化粧室などでおもいっきり「げっぷ」をなさるとよいでしょう.「月賦」も「げっぷ」もたまると苦しいものです.

 日常,「げっぷ」の原因になる空気を飲み込む場合として,まず,食事をよく噛まずに早食いしたときで,食べ物の中に含まれている気体成分を押し出さずに飲み込むことが挙げられます.(対策は,よく噛んでゆっくり食べること)

 次にストレスの強いときです.緊張すると,よく生つばが出て,それを飲み込みますね.会議中や難しい打ち合わせなどの際に,生つばといっしょに,大量の空気を飲んでいるものです.(対策は,気分を落ちつけて穏やかに話すこと)

マスコミ関係の人の中に「朝は,おなかがすっきりしているのに,お昼ころから,おなかが張ってきて,夜帰宅してくつろぐと,あまり臭くないオナラがたくさん出て楽になる」と訴える方が多いようですが,これも空気嚥下症状です. 

 このように,飲み込んだ空気が全部「げっぷ」として口から出るわけではなく大部分は小腸から大腸を通ってオナラになります.これが,ストレスの強い仕事をしている人ほど排ガスの多い理由なのですから,念のため.

2.漢方アドバイス        「安中散合半夏厚朴湯」
              (あんちゅうさんごうはんげこうぼくとう)

胃下垂がありスリムな体型の女性,「げっぷ」にお悩みです.東洋医学では「胃の運動性が衰えて,気の巡りのそこなわれた状態」と判断し,ストレスによりリズムの乱れた胃の働きを助ける「安中散」と,気の巡りを促す「半夏厚朴湯」とを合わせて処方します.
安中散の薬味として,延胡索(中国産エンゴサクの塊茎),良姜(中国南部産:コウリョウキョウの根茎),茴香(セリ科:ウイキョウの果実)は,いずれも胃の血液循環を改善し,健胃消化作用があります.また,縮砂(東南アジア産:ミョウガ科植物の種子=砂仁)により,胃の中にある食べ物ガスの停滞を除いて「げっぷ」の元を減らします.
それに,漢方の精神安定剤である桂枝(クスノキ科:ニッケイの樹皮),牡蠣(カキの貝殻),甘草(マメ科:カンゾウの根),水分代謝を調整する茯苓(サルノコシカケ科:マツホド)が加えられています.半夏厚朴湯では,構成成分の半夏(サトイモ科:カラスビシャクの塊茎)は吐き気止め,厚朴(ホウノキの樹皮)には胃腸に停滞する食べ物,水分,ガスを抜き,腹部膨満感を和らげる働きがあり,蘇葉(シソの葉)の解毒消化作用と相まって,消化管全体の調整にはとても効果的です.

3.お年寄りの知恵袋 フ 「げっぷを止めるレモン水」 ヘ
げっぷのよく出る人では,パーティーやデートの前に,レモン半個の搾り汁を水で薄めて飲んでから外出すると具合がよいそうです.軽い胃炎から起こる吐き気止め(二日酔い)にも効き,お肌の美しくなるレモン水を,ぜひお試し下さい.