アンの青春の明日が輝く言葉−第140回                 松本侑子ホームページ

 これはまさにロマンスだ、あらゆる詩と物語と夢にいろどられた本物のロマンスなのだ。六月に咲く薔薇が十月に咲いたように、少し遅れて開いた花。でも、薔薇は薔薇であることに変わりはないのだ。めしべが金色に輝き、美しく、甘く薫る薔薇なのだ。

『アンの青春』第29章

 45歳の独身女性ミス・ラヴェンダーに、ロマンスが訪れます。
 ロマンスは、若者だけに訪れるのではありません。少し遅れて咲いた薔薇でも、薔薇は薔薇です。

 ロマンスとは、恋の予感だけではありません。
 たとえ結婚している人にも、ロマンスはやって来ます。
 日々に新鮮なときめきを感じる心のみずみずしさ、甘さ、柔らかさが、それがロマンスです。
 あなたの胸にも、ロマンスの薔薇が咲きますように。

松本侑子

『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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