アンの青春の明日が輝く言葉−第117回                 松本侑子ホームページ

 アンとミス・ラヴェンダーの間には、おたがいに有益な厚い友情がしっかりと通いあっていた。その友情は、いくつになっても若者のみずみずしい心と魂をもつ大人の女性と、人生の経験不足を、想像と直観的な洞察でおぎなえる少女だからこそ生まれたものだった。ついにアンは、真の「心の同類」を見つけたのだ。

                        
『アンの青春』第23章

 そろそろラヴェンダーの花が咲くころとなりました。あの何とも言えないさわやかな香りが、私は大好きです。以前、北海道の旭川で見た薄紫いろのラヴェンダー畑、かすかに大気に漂う芳香は、忘れることができません。
 人が大人になるということは、自分が本当に好きなもの、本当に好きな人を知り、自分を理解することなのだと思います。
 そして、そうした最愛のものや人を、自分のまわりに築きあげていく人が、幸せだと思います。
 あなたもどうか、最も好きな人と、真の友情、真の愛情を、築きあげられますように……。

松本侑子 


『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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