アンの青春の明日が輝く言葉−第93回                 松本侑子ホームページ

「明日の朝は、特別に早起きするわ。することがたくさんあるの」

                        
『アンの青春』第19章

 アンの「すること」とは、何でしょうか……。アンは一つ一つ、あげています。
 まず、布団の打ち直し(物語の舞台は今から約100年前、日本の年号では明治時代のお話しです)、一人ぐらしの隣人の男性にあげるケーキを焼くこと、アンが始めた村の景観を改善する協会用に「庭づくり」の記事を書くこと、友人に手紙を書くこと、自分のドレスの洗濯とノリづけ、引き取った女の子ドーラのエプロンを縫うこと……。
 アンは、教員の仕事のほかに、休日は、こんなにたくさんの家事をこなしています。
 掃除機も洗濯機もなく、既製品の洋服屋も、ケーキ屋も、クリーニング屋もないアンの時代、人々は、とにかく働いていたんですね! またアンが、自分のためだけでなく、ほかの人のために働いていることにも、私は感銘をうけました。
 毎晩、明くる日にすることを、アンのように一つ一つ考えて、メモをして、着実にこなしていきましょう。

松本侑子 


『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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