「私はあんたのことを、血と肉を分けた実の娘のように愛しているんだよ。グリーン・ゲイブルズに来たときからずっと、あんたは私の歓びであり、心の慰めだったんだよ」
『赤毛のアン』第37章 マリラの台詞
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このシーンは村岡花子氏の訳では省略されていますが、とても感動的な場面です。マシューが亡くなった通夜の晩、マリラはアンを抱きしめ、初めてアンを愛する気持ちを告白します。気むずかしく、プライドが高くて感情表現できなかったマリラ、そのためにギルバートの父との恋も壊れ、孤独に生きてきたマリラが、生まれて初めて素直になり、涙ながらに愛を告げたのです。大切な人に、愛と感謝の気持ちを告げて下さい。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.12.23. |