アンにとっては、したい放題、遊びたい放題、騒ぎたい放題という生涯最良の夏だった。散歩をして、ボートをこぎ、スグリや木苺をつみ、心ゆくまで空想にひたった。そして九月になると、アンの目はまた輝き、足どりも敏捷になった。アンの心には再び野心と熱意がみなぎっていた。「力いっぱい勉強したい気分よ」屋根裏部屋から教科書をとってくると、アンは宣言した。
『赤毛のアン』第31章
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夏の休暇のあと、秋になって、ふたたび野心と熱意を燃やしているアンです。あなたにも充実した良い秋が訪れますように。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.9.9. |