「ジェーンは教育に生涯をささげて、絶対に結婚しないそうよ。だって、先生をしていれば給料がもらえるけど、結婚しても夫は払ってくれないし、卵やバターを売った代金を分けてくれとでも言おうものなら、がみがみ文句を言うからですって」
『赤毛のアン』第30章
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アンペイド・ワーク(報酬のない労働)と呼ばれる女の家事について、20世紀初頭にすでにモンゴメリは書いています。
ジェーンとは、アンと一緒に師範学校へ行く女の子です。彼女は第2巻の『アンの青春』で先生になり、きちんきちんと給料をもらいます。しかし後に億万長者と結婚して退職。これも現実的で実際派のジェーンならでは、でしょうか? アンは大理石の家もダイアモンドもなくてもギルバートがいいと、ギルバートと結ばれます。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.8.26. |