幸せになる『赤毛のアン』の言葉−146                    松本侑子ホームページ

「ジェーンは教育に生涯をささげて、絶対に結婚しないそうよ。だって、先生をしていれば給料がもらえるけど、結婚しても夫は払ってくれないし、卵やバターを売った代金を分けてくれとでも言おうものなら、がみがみ文句を言うからですって」
                        
『赤毛のアン』第30章 

 アンペイド・ワーク(報酬のない労働)と呼ばれる女の家事について、20世紀初頭にすでにモンゴメリは書いています。
 ジェーンとは、アンと一緒に師範学校へ行く女の子です。彼女は第2巻の『アンの青春』で先生になり、きちんきちんと給料をもらいます。しかし後に億万長者と結婚して退職。これも現実的で実際派のジェーンならでは、でしょうか? アンは大理石の家もダイアモンドもなくてもギルバートがいいと、ギルバートと結ばれます。

松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.8.26.