幸せになる『赤毛のアン』の言葉−66                     松本侑子ホームページ

「ダイアナは、木苺水(ラズベリー・コーデュアル)を自分からコップになみなみとつぎ、その鮮やかな赤い色合いを感心して眺め、それから、お上品に、少しずつ、すすった。
『まあ、アン、なんておいしい木苺水でしょう。木苺水がこんなにおいしいなんて、知らなかったわ』」


                        
『赤毛のアン』第16章

 木苺水とは、野生のラズベリー(キイチゴ)をつんで砂糖で煮た、甘くて赤いシロップのこと。とてもおいしそう
 しかしこの時ダイアナが飲んでいたのは、本当は木苺水ではなく、スグリの果実酒だった。それでダイアナは酔っぱらい、大騒動が起こるのだが、それはともかく、この場面には、おいしいものを食べたり飲んだりする幸せが感じられます。寒い夜ですが、あなたもおいしいものを召し上がって下さい。

松本侑子


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用。