アンの青春の明日が輝く言葉 最終回

愛とは、美しい友情から自然に花ひらいてゆくのだろう。金色のしべを持つ薔薇の花が、青いつぼみからすべり出ていくように。──『アンの青春』第30章

若いころは、天にも昇るような胸ときめく恋こそが、本当の恋愛だと、思っていました。
けれど今は、真実のロマンスは、熱情のほとぼりのあとに時間をかけて静かにはぐくまれ、自然にひらいていく花のようなものだと想います。
それは大地に根をはった確かなもので、恋心といっしょに、篤(あつ)い友情も流れているのです。
その花の色は、ほかの人には見えないかもしれません。
でも、愛しあう二人の胸には、甘くみずみずしく咲いているのが、おりにふれて感じとれる。そんな本物の愛の花を、あなたの胸に咲かせてください。
18歳になったアンは、少女時代をすぎて若い女性となり、ギルバートとの愛を予感しながら、カナダ本土の大都会へと旅立っていきます。

今日の言葉とコラムは、単行本『アンの青春の明日が輝く言葉』(松本侑子著、ディスカバー21発行、1200円)に掲載しています。(つづく)

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