アンの青春の明日が輝く言葉 第100回
アンはまるで、紫色の麻の上等なドレスでめかしこんでいるかのように、優雅に、落ち着き払って挨拶した。──『アンの青春』第20章
突然の来客……しかも相手は、アンの崇拝する大作家モーガン夫人! ところがアンときたら、家事をするために汚れてもいい古着姿。しかも羽布団の打ち直しをしていたので、全身、羽とほこりだらけ。それでもアンは、よそゆきでお洒落しているように、優雅に、堂々と出迎えます。
急な訪問があったとき、普段着で髪も整ってなく、「こんな身なりですみません、どうもどうも」などど大慌てして取り繕って、いつまでも焦っていると、よけいにみっともなく見えます。アンのように、とてつもなく変な格好をしていても、お客さんに、エレガントに挨拶してみてください。アンは、逆に、感心されました。
これは逆のことも言えます。どんなに着飾っても、動作がガサガサと落ち着きがなければ、ゆったりとした美しさは感じられません。身なりも大切、立ち居ふるまいも大切、両方大切なんですね。(松本侑子)
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