アンの言葉 NO.157
アンは開け放った窓辺に腰かけていた。美しい夏の夕暮れに見とれている時だけは、難儀の試験のことも、この世の気苦労も忘れることができるのだ。庭からは、花の息づかいが甘く香ってただよい、ポプラの天辺からは、さわさわと歯ずれの音がした。モミの森におおい広がる東の空は、夕焼けの照り返しをうつして、ほのかなピンク色に染まっている。
──『赤毛のアン』(松本侑子訳・集英社文庫)第32章
★9月半ばに、8年ぶりにプリンスエドワード島へ行ってきました。今月末に出る『アンの青春』の取材のためです。島では、ポプラの並木、モミの森、すみきった空がさまざまな色に染まっていく息をのむような美しい夕暮れ……。日本では見られない光景に、アンの世界をあらためて深く心に刻みました。
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