アンの愛情の言葉 第56回

クリスマス休暇となり、パティの家の少女たちは、それぞれ実家へ帰ったが、ジェムジーナおばさんは残ることになった。

「ご招待はいただきましたよ、でも、どちらへうかがうにしろ、猫を三匹もつれておじゃまはできませんからね。といって、かわいそうに、三週間近くも、猫たちをおき去りにはできません。エサをたのむのにふさわしいご近所さんでも、いればともかく、この通りは、百万長者ばかりですから。ここに残って、みなさん方のために、パティの家を暖めておきますよ」
アンは、いつものように、楽しい期待に胸ふくらませて帰省した……

『アンの愛情』（モンゴメリ作、松本侑子訳・集英社文庫）
第18章「ミス・ジョセフィーン・バリー、アンを忘れず」 189ページより

『アンの愛情』は、アンシリーズの第3巻……。
大学生になった18歳のアンが、ノヴァスコシア州の都会の大学に通う物語です。
アンは、クリスマス休暇に、同級生たちと暮らす「パティの家」から、プリンスエドワード島のグリーン・ゲイブルズ農場へ帰っていきます。
マリラが、楽しみに帰りを待っています。
そして「パティの家」では、ジェムジーナおばさんが、猫たちと留守番です。
ちなみに、アンが暮らす「パティの家」とは、
大学のある都会キングスポートの豪邸街にあり、可愛らしい、すてきな一軒家です。

さあ、いよいよ年の瀬となりました。
このお休み、あなたは、ふるさとへ帰省されますか？ ご旅行ですか？
家にいる休暇、帰省の休暇、旅行の休暇、それぞれに、すばらしいですね！
私は、お正月明けに次の本（小説集）の〆切があるので、猫と犬のいる家にこもって、ストーブをつけて暖かくして、ずっと物語を書いている予定です。
2009年の終わりに、今年1年のご厚情に、心からお礼を申し上げつつ、この年末年始、楽しい休暇をおすごしくださいますよう、お祈りしています！
−−−−−−−
お知らせを4つです。 1）講演『赤毛のアンに隠されたシェイクスピア劇とキリスト教』1月30日（土）
2）講演『赤毛のアンのアーサー王伝説とケルト族』2月6日（土）
3）松本侑子さんと行く『赤毛のアン』シリーズ4作ツアー 2010年6月 受付中
4）今月12月のサイン本プレゼント 全文訳『赤毛のアン』20名様に！
−−−−−−−
1）講演『赤毛のアンに隠されたシェイクスピア劇とキリスト教』
『赤毛のアン』は、作中に、英米文学と聖書からの引用が約100カ所ある大人のための、知的で、芸術的な文学作品です。
アンが語るシェイクスピア劇『ロミオとジュリエット』の深い意味、登場人物の名前の意味、イエスの聖杯探索の物語、隣人愛の騎士マシューなど、『赤毛のアン』に秘められた真実の魅力を、どなたにもわかりやすく、楽しく、お話しします。
プリンスエドワード島の美しい写真も、多数上映、「アンの世界」を旅するような、楽しいひとときです。
物語に込められた、人生を幸福に生きるための哲学も、ご説明します。
日本語のみのお話ですので、安心してご参加ください！
『赤毛のアン』と『ロミオとジュリエット』のあらすじもご説明しますので、まだ読んだことのない女性・男性の方も、楽しく受講できます。
日時 2010年1月30日（土）14時〜15時半（90分）
会場 ホテルニューオータニ 東京都千代田区紀尾井町4-1
交通 地下鉄「赤坂見附駅」「永田町駅」徒歩3分
料金 6,300円（税込・そのほかの費用は不要）
対象 ダイナースクラブのカード会員・会員のご家族限定の特別企画
定員 30名(現在21名･残席9)
主催 ダイナースクラブ・カルチャーサロン
予約電話・お問い合せ先 ダイナースクラブ・リザベーションデスク 0120-357-554（フリーダイヤル）（月〜金10時〜17時、12/26〜1/3はお休み）音声ガイダンスの4番を選択してください。
同じ内容の『アン』の講演を、今年9月に、開催しました。
受講者の方々のご感想が、掲載されているサイトがあります。
「驚きの連続」「世界の常識を学んだ」と大好評を頂きました。
2009年9月 表参道カレッジにて開催 http://omokare.jp/lecture/10
ぜひご覧ください。
現在、最終受付中です。あなたのご参加をお待ちしています！（次へ）
驪次へ 麗戻る 黎目次 戀トップ